遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。
今年は、名古屋駅前に建設中の超高層ビル3棟が、いよいよ地上に姿を現します。昨年同様、ぼちぼちと更新していければと思いますので、今後とも当ブログをよろしくお願いいたします。
さて本題ですが、新年早々ビックニュースが飛び込みました。元旦付けの読売新聞に掲載された、名古屋駅太閤通口(通称・駅西)に名古屋高速を直結し、名古屋駅とダイレクトに行き来できるように検討していくという内容の記事です。リニア名古屋駅の開業を見据え、「名古屋駅前に高速道路を」という話は昨年あたりからチラついていましたが、ここへ来て市などが本格検討へ乗り出したようです。
渋滞が慢性化している名古屋高速万場線「黄金(こがね)出入口」(太閤通口から約1.8㎞)や都心環状線「錦橋出口」(同約1.4㎞)をパスして、高速道路からのスムーズなアクセスを実現しようと検討されているのが、今回の構想のようです。単純に高速道路を引っ張るだけでなく、駅西にサービスエリアを備えた「駅ビル」を建設し、地下駅とエレベータで繋ぐほか、高速バスや観光バスも発着できるようにするという壮大な計画です。読売新聞に掲載されたイメージ図では、高架駅に面した南北約300メートルの敷地に巨大な駅ビルを2棟建設し、高速道路がビルの中へ直接乗り入れる構造となっています。これがこのまま実現するとは限りませんが、かなり規模の大きな構想であることに間違いないようです。また、地上に高速道路を建設すると用地確保や既存構造物(鉄道高架橋など)を超えるのにかなりの難工事となるほか、景観も損なわれるため、高速を地下に通す案も検討されているようです。
既存の名古屋高速とは、黄金出入口もしくは山王ジャンクションでの接続が検討されています。個人的には新洲崎ジャンクション北西角にある名鉄バス営業所跡地を活用してもいいと思いますが、そこから駅前まで持ってくるのが難しいですね…。一体どうやるのでしょうか。
現在の太閤通口。桜通口(駅東側)ではJR東海の新ビルが建設中ですが、建替え前の旧名古屋ターミナルビルに入っていたバスターミナルの機能が一時的に駅西へ移されています。
駅西のランドマークとしてすっかり定着した「ビックカメラ名古屋駅西店」。かつてはユニーが運営する「生活創庫」が入居していました。
アコムの看板のビルからベージュの河合塾のビルあたりまでが、リニア名古屋駅の横幅になります。
建設にあたっては地上部から開削して工事を進めるため、JRが一帯の土地を買収するようです。
河合塾の新校舎はまだ完成したばかりですが、この先どうなるのでしょうか。
「太閤通口」交差点から眺めるルーセントタワー。右側に「JPタワー名古屋」が建ち上がってきます。
現在、新幹線ホーム北端の高架下は、荷捌きスペースとして使用されています。
河合塾の新キャンパスから徒歩十数秒で風俗街が広がっていますが、この辺りもJRに買収される可能性が高そうです。
読売新聞のイメージパースでは、この駅前広場一帯に新ターミナルビルが建つことになっています。
太閤通口に設置されたJRハイウェイバスの仮設きっぷうりば。
駅前ロータリーの一部を一時的に「ハイウェイバスのりば」として活用しています。中央に有料駐車場があります。
新幹線の見える「太閤通口」の駅前広場。構想案では、この場所は2棟のターミナルビルの谷間となり、デッキ付きの立体広場として整備することになっています。
満車の地下駐車場へ入ろうとする車とタクシーでごった返す年始の太閤通口。
あまり目立ちませんが、太閤通口のロータリーにも地下鉄桜通線への入口があります。利用率は低そうです。
ビックカメラの開業によって脚光を浴び始めた駅西ですが、JRの新ビルに開業予定のヨドバシカメラはビックにとって脅威となりそうです。
駅西のタクシー乗り場。この辺りの風景はあまり変わりがありません。
構想案では、背後の飲み屋の入るビルなどもターミナルビルの用地に含まれています。
「椿町」交差点角に建つ雑居ビル群。リニアの開業を見据えた西口ターミナルビルの建設は、一帯の再開発へ向けた千載一遇のチャンスとなりそうです。
同交差点から見上げるJRセントラルタワーズとミッドランドスクエア。
タワーズ全体の敷地には及ばないものの、こうして見ると結構な広さがあります。
構想案では、手前のエイブルのビルまでがターミナルビルの建設用地となっています。
この付近は予備校やビジネスホテルが密集しています。
エイブルのビルの裏側。新幹線の高架に沿って、ビジネスホテルや飲み屋などが密集しています。
再び太閤通口の玄関前。こちらは駅西唯一の地下街「エスカ」に直結しています。
エスカは1971年(昭和46年)の開業ですが、仮に高速道路を地下に通したり、駅前広場にターミナルビルを建設するとなれば、エスカを閉鎖もしくは廃止しなければなりません。
太閤通口玄関に面した「銀の時計広場」。ツアー客などの団体の待ち合わせ場所としてよく利用されています。
JR名古屋駅の高架を東西にぶちぬく「中央コンコース」。リニア開業後は滞留人口の増加が予想されることから、東西軸の動線の強化が検討されています。
年始の帰省客やUターン客で埋め尽くされた桜通口側の金の時計広場付近。
今年も初売りから大賑わいのジェイアール名古屋タカシマヤ。
JRの新ビルやJPタワー名古屋の開業後は、右側のエスカレータからデッキを経由しての両ビルへのアクセスが容易になることから、この金時計付近の人通りはさらに増えることが予想されます。
【参考】名古屋駅と高速道直結 リニア開業へ構想(2014年1月1日付 読売新聞)
【参考】リニア駅直上 有効活用 駅西側にバスターミナル 駅東側に公園や広場整備 名古屋市など計画(2013年12月31日 読売新聞)
※写真はすべて2014年1月2日撮影。