今月6日の建通新聞(ウェブ記事)によると、積水ハウス開発事業部が、竹中工務店の施工で白川第三ビルの解体工事に着手したと報じています。また、先月30日の建通新聞(紙面)にも同様の記事が出ていますが、そちらの記事には今回の解体工事に関して、「再開発に伴うものではない。積水ハウスは『当面の間、高度利用はしない』と話している。災害発生時の対策なども考慮して解体に踏み切った。」と出ています。6日の記事にも「解体後しばらくは駐車場としての利用を想定している。」と出ており、明らかに菱信ビルの解体に歩調を合わせているのがわかります。
さて、そうなると2012年5月発行の東洋経済「進化する名古屋」に書かれていた『上層部を住居部とする高層ビルへの建て替え計画もある』という情報が現実味を帯びてきます。ウェブ記事中には「現時点では同敷地や区画内での再開発計画はない」とありますが、少なくとも去年5月の段階で、ある程度の構想は浮上しているものと思われます。それがどのタイミングで水面上に出てくるかはわかりませんが、いずれにしても大型再開発に期待が持てそうな感じです。
【参考】竹中の施工で着手/積水ハウスの白川第3ビル解体(2013年9月6日 建通新聞ホームページ ※リンク切れ)
また、会員専用のウェブ版には、今回の区画を指して「名駅4丁目8街区」とありましたが、国交省国土地理院のサイトで各街区の一覧を確認することができます。
名鉄名古屋駅付近。左のミッドランド商業棟の奥が白川第三ビル(8番街区)です。名鉄名古屋駅の再開発計画もそろそろ続報が欲しいところです。
名駅通り「笹島交差点」の南側から。写真左端あたりに「大名古屋ビルヂング」の超高層ビルが建ち上がってきますが、仮に今回の計画が超高層となれば、スパイラルタワーズとミッドランドスクエアの間に建ち上がることになり、ここから眺める景観が激変します。スパイラルタワーズの敷地面積は約3,500㎡ですが、名駅4丁目8番街区は約4,500㎡と約1.5倍の広さがあります。スパイラルタワーズは、敷地内に公開空地や地下通路を整備したことで、都市再生緊急整備地域内における都市再生特別地区に指定され、容積率が1350%まで緩和されています。今回の敷地は容積率1000%の高度商業地域となっていますが、土地利用の工夫次第で容積率の緩和が認められ、より大規模な再開発が可能になります。