金山北口を連鎖型再開発!歩行者の南北軸をシンボル動線に・古沢公園に市民会館移転も検討

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先月(4月27日付)の建通新聞によると、名古屋市は金山総合駅北口に所有する「アスナル金山」「日本特殊陶業市民会館」「古沢公園」の3つの公有地を連鎖的に再開発する方針を示しました。今回の構想は素案として発表されたもので、一帯の都市再生緊急整備地域の選定も視野に、2016年中にも構想案をまとめる予定です。

 歩行者動線の拡大も?

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現在、金山総合駅の橋上駅舎内では、広大な南北自由通路によって北口と南口が結ばれており、JR線・名鉄線・地下鉄のそれぞれの乗り場も自由通路上に集約されています。素案では、『金山地区内に街の「シンボル軸」となる南北の歩行者空間を確保し、駅の南北には滞留性をもたせたオープンスペースを確保する』としています。おそらくこの南北自由通路をベースに、市民会館や商業施設などが延長線上に整備されるものと思われます。

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 南北自由通路(北口)

北側はすぐに「アスナル金山」にぶちあたります。市民会館とは地下鉄の改札付近から地下通路で直結していますが、場所がわかりにくくバリアフリーにも対応していません(後述)。地上レベルでは駅から市民会館へ直結するルートがありません。

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市民会館から北口駅舎を一直線上で見てみると…

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まずアスナル金山の円形状の建物で塞がれ、その先にはバスターミナル、そして都市計画道路で分断されています。

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金山総合ビルの脇を抜け…

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さらに市道を挟んで市民会館があります。北口から距離的には決して遠くはないのですが、一直線上にあらゆる障壁があり、歩行者の動線はズタズタに寸断されています。駅構内の賑わいがアスナル金山付近で途絶えてしまっているのはこの動線に大きな問題ありです。

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今回の建通新聞の記事中では触れられていませんが、素案の中で歩行者の南北軸を重視する観点から、北口と市民会館の間に立地する「金山総合ビル」は再開発の可能性がかなり高まったといえます。

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 イオン金山店前

アスナル金山からは、先ほどの都市計画道路を横断するにはこのスクランブル交差点が一番近いですが、ここから北へ進むと市民会館の裏側に出てしまいます。

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 金山総合ビル

1979年竣工の事務所や店舗が入る地上10階・地下2階の複合ビル。延床面積は25,449㎡で、2007年に内装のリニューアルが行われています。第一生命と明治安田生命が区分所有しています。一連の再開発の波に乗るのかどうかが、北口の今後を占う大きなカギとなりそうです。

徐々に明らかになりつつある北口再開発の全貌…

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名古屋都市センター(金山南ビル)より

素案によると、まず老朽化している市民会館を古沢公園に移転させ、移転後に旧市民会館跡地を再開発し、アスナル金山の受け皿となる商業機能を確保します(商業以外の機能の導入は現時点では不明)。さらに、新商業施設の完成後、アスナル金山を再開発します。タイムスケジュールとしては、2020年までに都市再生緊急整備地域への指定を目指して国に働きかけを行い、2027年までに古沢公園に新市民会館建設→旧市民会館再開発、2027年以降にアスナル金山エリアの再開発を順次行います。

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 アスナル金山

大本命のアスナル金山跡地の行方ですが、土地所有者の名古屋市と管理者の名古屋まちづくり公社との間で交わされている定期借地期間は2020年までとなっています。しかし、素案では『必要に応じて期間の延長』が検討されています。これは、再開発によって市民会館の機能やアスナル金山の賑わいが長期間失われることを懸念し、それぞれの受け皿を先行して整備してからの着手となるためです。

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 日本特殊陶業市民会館裏

イオン金山店のスクランブル交差点から古沢公園に向かって延びる市道。

 現在の古沢公園

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 古沢公園

今回の素案の中で、新市民会館の建設予定地として浮上しています。

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 古沢公園市営地下駐車場

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古沢公園内には地下駐車場があり、ここへ市民会館を建設するとなるとかなり大掛かりな工事になります。

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 古沢公園

しかし、古沢公園の敷地面積は約5,214㎡と、現在の市民会館の敷地(約13,200㎡)のわずか半分以下となっています。大容量の収容人数を求められるホールの建設地としては手狭な感じがしますが、今やライブの開催等は南区の日本ガイシホールや東区のナゴヤドームがメインになっているので、演劇や式典向けのホールとしては、規模的には縮小しても問題ないと判断したのかもしれません。

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 古沢公園(南西側)

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 古沢公園(南側)

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 古沢公園(北側)

奥に見えるのは現在の市民会館と、右に金山南ビル。

現在の市民会館

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名古屋市は、2007年より名古屋市民会館の命名権(ネーミングライツ)の売却を行っており、2012年までの5年間は中京大学が、2012年からは瑞穂区の日本特殊陶業株式会社が取得しています。

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築40年以上が経過し、老朽化が進んでいます。また、バリアフリーにも対応していないことから、解体・移転新築が決定しました。

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館内フロアの案内上、1階は「中ホール(ビレッジホール)」、2階は「大ホール(フォレストホール)」となっていますが、中ホールは2階建て、大ホールは4階建ての高さがあります。

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敷地が広大なため、メインの商業機能を含め、さまざまな機能導入が想定されます。アスナル金山のように複数の専門店で構成されるモール型になるのか、あるいは旗艦店が出店するのか、個別事業の協議は2016年に正式な構想を策定後に、行政・住民・事業者で構成されるまちづくり推進協議会の中で検討が始まる予定です。

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市民会館の北側には「名古屋市音楽プラザ」(右)がありますが、1997年竣工と比較的新しい施設のため、今回は特に動きはなさそうです。

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 日本特殊陶業市民会館 東側正面

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 市民会館地下通路

地下鉄金山駅からは市民会館へ直接アクセスする地下通路がありますが、メインの改札口からは離れており、かなり分かりにくい場所にあります。

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地下通路入口。バリアフリー非対応。通路にはエレベーターもエスカレーターもありません。

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地下通路内部。

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階段が多く、年配の利用者には結構キツいアクセスです。

※すべて2016年5月1日撮影。

コメント

  1. ジョニーデッブ より:

    アスナル金山の跡地は楽しみですね。
    今のアスナルのデザイン、味があっていいとおもうんですが、
    名駅付近のようなスタイリッシュな外観にしてしまうんでしょうかね?

    そこも興味をひきます

  2. k-carrot より:

    ジョニーデッブさん

    コメントが遅れまして、申し訳ありません。

    今のアスナル金山は、仮設とはいえ上手く回遊性を発揮した店舗配置になっているため、新しい施設にもそのノウハウを踏襲させてほしいですね。

  3. コメダ より:

    http://mainichi.jp/articles/20170116/ddl/k23/010/107000c
    こちらに計画の詳細が載ってました。
    記事中に大型商業施設とありますが、さすがにイオン2軒めはないと思いたいですね(笑)

  4. k-carrot より:

    コメダさん

    お返事が遅れまして、申し訳ございません。

    ここへ来て初めて「高層ビル」というフレーズが出てきましたね。着実に構想は進んでいるのと同時に、やはりある程度シンボル性のあるものを建てたいという市の思惑がうかがえます。商業施設は周辺と差別化を図れる内容でしっかり計画を練ると思います。