名古屋高速道路公社は、都心環状線の渋滞対策の予備設計を2月に発注することとなりました。(委託期間は2017年3月まで)都心環状線の混雑をめぐっては、2007年に公社や有識者で構成される調査研究委員会が「名古屋高速道路の渋滞対策に関する提言」を行い、早ければ2009年度からの着工、2011~2013年度の完成を目指していました。大高線の改良工事は2011年11月に完了しましたが、都心環状線については音沙汰がありませんでした。今回、再び都心環状線の改良計画が浮上してきたので取り上げたいと思います。(計画内容は2007年の発表時点のものです。現在は内容が修正されている可能性もありますが、今回紙面での報道で特に計画内容に触れられていなかったため、当初通り計画が進んでいるものとします。)
右回り一方通行の都心環状線(現状)
名古屋高速都心環状線は、右回りの一方通行路となっており、ルートによっては大きく迂回させられることで混雑が都心環状線上の一定箇所に集中し、事故多発の要因にもなっていました。名古屋高速道路公社はこの問題を解消するため、2007年11月に提言をまとめ発表しました。それによると、比較的交通量の少ない東山線(新洲崎JCT~丸田町JCT)へ交通量を分散させることで、都心環状線の混雑解消を図ることとしました。
新洲崎ジャンクションの連結路新設(2007年11月発表時点)
まず都心環状線から東山線東向き車線に至る連結路(東渡り連結路)を設置します。これにより、都心環状線北半分への交通の流入を抑え、新洲崎ジャンクションより北側の「錦橋出口」や「丸の内出口」付近で慢性的に発生していた渋滞を解消し、所要時間の短縮を図ります。また、連結路を既存の「白川出口」に直結させる構想もあります。
さらに東山線西向き車線から都心環状線に至る連結路(北渡り連結路)を設置します。これにより、都心環状線南半分への交通の流入を抑え、丸田町ジャンクションより南側の「鶴舞南ジャンクション」付近で慢性的に発生していた渋滞を解消し、所要時間の短縮を図ります。また、連結路を既存の「錦橋出口」に直結させる構想もあります。(その場合は本線からの流出区間も合わせて延伸)
丸田町ジャンクションの連結路新設(2007年11月発表時点)
丸田町ジャンクションにも連結路を設置します。都心環状線から東山線西向き車線に至る連結路(西渡り連結路)を設置します。これにより、都心環状線南半分への交通の流入を抑え、丸田町ジャンクションより南側の「鶴舞南ジャンクション」付近で慢性的に発生していた渋滞を解消し、所要時間の短縮を図ります。また、東山線東向き車線から分岐して都心環状線に至る連結路については、連結路の合流地点から鶴舞南ジャンクションの分岐点までの距離が短く、交通量の織り込みが激しいことから、構造上設置が見送られる可能性があります。
東山線東行き「白川入口(仮)」の新設(2007年11月発表時点)
東山線東向き車線では、白川公園付近にオンランプを設置し、東山線の利用促進を図ります。(写真は楠線黒川出入口です)伏見付近から、東名高速名古屋インター方面への所要時間が短縮されます。
大高線「堀田」「高辻」入口合流区間延伸(施工済み)
(写真は名古屋高速道路公社ホームページより)
大高線の渋滞対策として、「堀田」「高辻」両入口の合流区間延伸が掲げられていました。工事は既に完了しています。(高辻入口:160m延伸、堀田入口:80m延伸、平成23年10月29日供用開始)