名古屋駅前では、リニア中央新幹線を見据えた歩行者空間の再整備と、乗り換えの利便性の大幅な向上を目指した名古屋駅始まって以来の大規模な改造計画が進められています!
名古屋駅前ど真ん中の異空間
桜通口前の「名古屋駅」交差点のど真ん中に来ました。この場所の正式名称は「ユニモール地下街 ユニモールプラザ」です。地下街で災害などが起きた際の避難用スペースとして整備されました。地上へ上がる階段は安全のため閉鎖されていますが、半地下の広場までは誰でも入ることができます。
地上を見上げると、桜通口ではおなじみの存在となっているアレが…
アレの真下には、地下鉄名古屋駅改札口とユニモールを結ぶ連絡通路があります。
ついにアレを移設
「飛翔」オブジェ
アレってなんだよ!はい、コチラです。「名古屋駅」交差点のロータリー中央に鎮座する「飛翔」オブジェ。89年の地下鉄桜通線の開業時に設置され、縄文土器の模様をモチーフにステンレスパイプをらせん状に組んだデザインとなっています。かつては噴水としても機能していましたが、現在放水は行われていません。2017年をめどに移設が検討されています。
桜通口の歩行者空間を大規模改造へ
「名古屋駅」交差点
桜通口に隣接した「名古屋駅」交差点は、ロータリーになっています。この交差点は南北方向には西側にしか横断歩道がなく、北側から南へ向かって横断するときには必ず2回信号待ちになります。ミッドランドから大名古屋ビルへは地上からのアクセスが桜通りで寸断されており、歩行者目線で見ると非常に不便な構造になっています。
「名古屋駅」交差点から桜通口方面。現状、降車スペースは一般車とタクシーが混在しており、夕方ラッシュ時や休日などは車列が交差点まではみ出し、大変な混雑となっています。
桜通口玄関前
タクシーのりば付近。歩道・車道ともに通行量に対して、スペースがかなり手狭になっています。今後はリニアの開業を控えており、リニア⇔新幹線の乗り換え客も含め名古屋駅前の滞留人口が大幅に増えることが予想され、駅前広場の拡張・再整備が急務になっています。
桜通口側には3箇所の"ターミナルスクエア”を設置へ
名古屋駅の現状
名古屋駅には、今後のリニアを含め5社10路線が乗り入れます。現状は地上・地下のそれぞれの動線が複雑に入り組んでおり、乗り換えが非常にわかりづらくなっています。
ターミナルスクエアとは
国交省・名古屋市・名古屋駅に乗り入れる鉄道各社が共同で計画を進める、各路線同士のスムーズな乗り換えを想定した歩行者滞留広場です。歩行者動線や案内サインの改良により、初めて名古屋駅を訪れる人や、外国人にもわかりやすい「国際レベル」のターミナル駅の整備を目指します。なお、当初計画では地下空間での整備を予定していましたが、最新の発表では地上1階レベルでの整備に変更されています。(イラストは当初計画時)2020年ごろまでに計画策定および一部で着工を行い、リニアが開業する2027年までの完成を目指します。
ターミナルスクエア整備箇所(桜通口側は3箇所)
現在計画されている、桜通口側のターミナルスクエアの大まかな整備予定地です。(当記事では太閤通口側のターミナルスクエアは割愛します)
ターミナルスクエア予定地(JR中央コンコース⇔地下鉄改札直結)
ターミナルスクエアの1つは、JR中央コンコースから桜通口玄関を出たこの場所に整備されます。現在タクシープールのある場所です。現状はタクシープールを迂回して左右2ヶ所に地下へ下りる階段が分かれていますが、この正面の場所に地下鉄東山線へダイレクトにアクセスする乗り換え用の広場と階段(エスカレータ)を整備します。
タクシープール。一般車とタクシーがごちゃまぜになっており、誤進入も頻発しているためガードマンが警戒しています。この一帯を歩行者空間として再整備し、タクシープールや一般車の乗降場を現在の「名古屋駅」交差点の場所に移設し、交差点の形状も大幅に変更(ロータリーも廃止?)すると思われます。
地下空間の現状(ゲートウォーク・9番出口)
桜通口玄関(JR中央コンコース)と地下鉄東山線改札を結ぶ地下階段は2つ。そのうちの1つの「9番出口」です。
9番出口と8番出口の中間地点
JR中央コンコース正面から地下へ下りてくると、ちょうどこのあたりになります。ご存知、このゲートウォーク地下街はついこの間リニューアルが完了したばかりですが、この場所にターミナルスクエアを整備するとなると、またすべて工事をやり直すことになります(苦笑)地下街の店舗数も大幅に減ることになりますが、未だに計画が壮大すぎて全容が掴みきれません。
名古屋駅から東へ延びる「ユニモール地下街」から、ゲートウォークへ突き当たったところ。この正面付近にターミナルスクエアが整備される予定です。
ゲートウォーク・8番出口
JR中央コンコースと地下鉄東山線改札を結ぶもう一つの連絡階段。
ターミナルスクエア(リニア中央新幹線⇔地下鉄東山線改札)
桜通口側に整備されるターミナルスクエア3箇所のうち、2箇所目はJRゲートタワーの南東角に整備されます。
こちらは東山線改札とリニア名古屋駅コンコースをつなぐ、大屋根のかかるサンクンガーデンが整備される予定です。
息切れのため、後半に続く(笑)
【参考】リニア中央新幹線と名古屋駅周辺まちづくり構想(名古屋市ホームページ)
※すべて2015年12月20日撮影。