JR東海の子会社「ジェイアールセントラルビル」は、名古屋駅東側に広がる「テルミナ地下街」のリニューアルを行います。同地下街は、現在建設中の「JRゲートタワー」の前身である「名古屋ターミナルビル」との一体的な運営が行われてきましたが、1976年(昭和51年)の開業から40年近くが経過しており、旧ターミナルビルの閉鎖後はテルミナの一部フロアも閉鎖されていました。今回のリニューアルにより、2017年の「JRゲートタワー」の開業を前に、新ビルへのアプローチとしてより魅力ある地下街を目指すとしています。名駅地区では「ユニモール地下街」の大規模な改装工事も進行しており、鉄道各社との乗り換え機能の強化など、地下レベルでの大規模な改造計画が動き出しています。
早朝のテルミナ地下街。日中は多くの人が行き交います。地下鉄東山線の改札口に面したフロアでは一部通路が封鎖されており、アスベストの撤去工事が行われています。リニューアル内容は、「通路の意匠、サイン関係、店舗の改装、防災設備の更新」となっており、店舗の詳細は後日発表される予定です。
このあたりの通路左側の店舗区画は、ちょうどJR桜通口のタクシープールの真下にあたります。複雑な乗り換え動線を改善するために桜通口・太閤通口にそれぞれ整備が検討されている「ターミナルスクエア」は、地上と地下の空間を結ぶ大規模な歩行者滞留拠点になりそうですが、おそらく桜通口側はこのタクシープールの場所に整備されるのではないかと思います。(あくまで個人的予測です)今回のリニューアルがそれを見越したものなのかどうか、今後の動向が注目されます。
こちらは名鉄北改札に面した、テルミナの中地下階フロア。名鉄と近鉄双方の改札口と連絡しています。既に床の張り替え工事が進行していました。
新しいタイルはユニモールのリニューアルに合わせているのか、同じグレーと白を基調としています。名鉄・近鉄の共同再開発によって、この中地下階フロアは相当大掛かりな改造工事が行われるのではと思っていますが、このタイミングでリニューアルとは予想外でした。
さて、今月10日の中日新聞によると、2027年のリニア開業に向けて検討されているJR名古屋駅の東西を結ぶ歩行者用通路の増設について、1ヶ所は現在建設中の「JRゲートタワー」内(リニア名古屋駅の真上付近)に、もう1ヶ所は「JR広小路口とあおなみ線の駅付近をつなぐ場所が有力」との方針が、国や名古屋市・JRなどが参加する「名古屋駅の将来像を考える会議」の初会合で示されたようです。
広小路口の玄関を入るとすぐにJRの広小路改札があります。今回示された方針では、この正面の壁をぶち抜いてJR名古屋駅のホーム下をくぐり、反対側のあおなみ線改札口までを新しい東西自由通路で直結させる計画です。
反対側のあおなみ線改札口付近。奥の壁あたりに新しい自由通路を整備します。それに伴い改札も移設が必要となってきます。
新幹線高架下に面した太閤通口。この辺りは歩道が狭く、せせこましい感じです。
現状JRの改札を通らずに名古屋駅の東西を行き来できる構内通路は、地上ではこの「中央コンコース」しかなく、タカシマヤの来店客の増加などによって混雑は激しさを増しており、今後リニアが開業すると完全にキャパが足りなくなることから、東西軸の強化が必要とされています。
日曜の朝6時半ですが、既にそこそこの人通りがあります。これが昼間になると一気に混雑度が増します。中央コンコースは幅が約30メートルあり、JR桜通口と太閤通口をむすぶメインストリートとなっています
2014年10月に設置された60V型液晶ディスプレイ 「SHARP PN-R603」です。この中央コンコースに計100台設置され、交通広告としては日本最大規模の連続・多面デジタルサイネージとなっています。
中央コンコースの中ほどでは、券売機室の改修工事が行われています。
※写真はすべて2015年2月22日撮影。
【外部リンク】「名古屋駅前地下街テルミナ」の改装工事の実施について(2015年1月28日 ジェイアールセントラルビル公式サイト)