名古屋市は、「東山動植物園再生プラン基本計画」に基づく園内施設の改修と、それを核とした周辺地区のまちづくり計画「東山の森づくり」を行っています。2005年の愛・地球博から伝承した人と自然とのつながり、市民や国内外の人々の交流の場を、次の舞台である名古屋市東部の東山地区に整備していく計画です。
従来の東山動物園は、動物たちがコンクリートや金網で囲まれた狭い獣舎に隔離され、老朽化も進むなど、動物園の魅力低下の要因となっていました。今回の再生プランでは、動物と人との垣根を取り払い、できる限り自然に近い形で動物たちに過ごしてもらうことで、来園者にとっての視覚的な魅力を高めるとともに、生命の大切さ、自然の大切さを次世代に継承していく狙いです。
市では「生命(いのち)をつなぐ」の基本理念と、6 つの基本方針を掲げた「東山動植物園再生プラン基本構想」を2006年6月に策定し、その具体案とした基本計画を2007年6月に策定しました。しかし、その後の社会情勢の変化に伴い構想が練り直され、『現存する歴史文化的施設や樹木、景観に配慮する』とした新たな基本計画を、2010年5月に発表しました。改修工事は2008年度から順次行われており、チンパンジー舎が2008年度に、ニホンザル舎やゾウガメ舎などが2009年度に完成しています。
今回は、園内の目玉動物の一つであるアジアゾウの獣舎をメインに取り上げたいと思います。
動物園正門前のスクランブル交差点。日本で唯一、童謡「お馬の親子」の音響信号が採用されている交差点です。音響信号自体、県内ではここだけと思われます。一時期は再生プランの策定の中で、道路を地下化する話も出ていましたが、その後プランの見直しにより立ち消えとなりました。
東山動植物園正門。今年7月8日に園内初のマスコットキャラクター「ズーボ」が誕生ました。それに伴い、正門上の看板やパンフレット類も大きく一新され、従来と比べ非常にポップで親しみやすい印象を受けます。「ズーボ」の名前は動植物園の英語表記「Zoo and Botanical Gardens」の発音に由来し、「東山の森に住み、動物でもあり、植物でもある妖精」だそうです。どっかで聞いたことあるフレーズですね。笑
あちこちに新アジアゾウ舎のオープンを予告する看板が掲げられています。動物園が昨年来園者に実施したアンケートでは、東山動物園で飼育されている動物の中で一番人気はコアラで、その次がゾウとなっています。(一昨年はゾウが1位)
現在、旧アジアゾウ舎から新アジアゾウ舎へゾウを移動させるための通路の設置工事が行われており、一部の園路が通行止めになっていました。
旧アジアゾウ舎。新アジアゾウ舎のオープン後は解体され、跡地には新しい休憩広場が整備されます。
現在園内には休憩施設がいくつか分散していますが、どこも老朽化がかなり進んでいます。
新アジアゾウ舎の展示館部分。愛称は「ゾージアム」と名付けられました。スリランカの民家をイメージしたデザインとなっており、東山動物園のアジアゾウの歴史やスリランカの民芸品などを紹介するコーナーとなります。
新ゾウ舎の裏側。こうして見るとかなりの広さがあるのがわかります。
ゾウ舎の運動場部分。
奥に見えるかやぶき屋根のような建物が「ゾージアム」。右側の建物が獣舎です。
敷地面積はゾージアム、獣舎、運動場を含めて約3,350平方メートルで旧アジアゾウ舎の約4.5倍、上野動物園のアジアゾウ舎を抜いて国内最大規模のゾウ舎となります。
新しいゾウ舎には、ここに掲示してあるもの以外にもさまざまな仕掛けがあるようです。
協賛企業。
堀に張り出している部分はエサやり場でしょうか。
どことなく万博のときのようなワクワク感が出てきます。
地図で見ても圧倒的な広さを誇る新ゾウ舎。
完成が待ち遠しいですね。
さて、新アジアゾウ舎の敷地には元々ペンギン舎がありましたが、今回の整備に伴い、ホッキョクグマ舎の付近に仮移転しています。
暫定施設のため、プールは旧ペンギン舎よりも若干狭くなっています。以前のように水中の高さまで下りてペンギンを下から観察できるスペースはありませんが、プールにせり出したデッキからペンギンをのぞくことができます。
9月下旬とはいえ気温は30℃を超えており、ペンギンたちもプールに入らずにはいられないでしょう。
ペンギンも、人気ランキングで第5位にランクインしています。
手前からアシカ、アザラシ、その奥がペンギン。左端がホッキョクグマです。
【参考】9/28(土)新アジアゾウ舎「ゾージアム」がオープンします。(2013年9月13日 東山動植物園ホームページ)
【参考】東山動植物園ブランド戦略事業 公式マスコットキャラクターの愛称が決定しました(2013年7月8日 東山動植物園ホームページ)