ひそかにアーケードのリニューアル工事が進められていた、円頓寺商店街(江川線~五条橋)の工事が概ね完了しましたので、見てきました。
「円頓寺商店街」は、名古屋駅から徒歩10分ほどの場所に東西に広がる商店街で、都市計画道路江川線(名古屋高速都心環状線)を境に西は「西円頓寺商店街」と「円頓寺本町商店街」、東は「円頓寺商店街」に区別されます。名古屋市内では大須一帯以外で唯一残る全蓋式アーケード商店街です。(西円頓寺商店街にはアーケードはありません。)歴史は「円頓寺」の門前町として発展した江戸時代までさかのぼり、大須よりも古い商店街のようです。
今回リニューアルされたのは、東側の「円頓寺商店街」です。写真は江川線より東(五条橋)方向。以前は赤文字の楷書体で「円頓寺」と書かれていた看板が入口頭上に掲げられていましたが、街並みの雰囲気に合わせて木目調のベースに「円頓寺商店街」と明朝体で表現されたものに変更されました。
アーケード内の雰囲気も大きく変わっています。
アーケード屋根は白から黒基調へと塗装の変更が行われ、よりシックな感じに仕上がりました。
また、太陽光を多く取り入れることで明るさを演出しているほか、コンクリートで支柱の耐震補強が施されています。屋根には太陽光パネルが設置されているようです。
照明は新たに行燈式のものが設置され、和の雰囲気を打ち出しています。
支柱にも照明が取り付けられています。
支柱にロープが括り付けられていますが、何のためのものかイマイチわかりませんでした。
こちらは約80年間地元に愛されてきた喫茶「西アサヒ」。後継者問題から2013年に閉店してしまいましたが、現在はカフェ併設のゲストハウスとして改装工事が進められています。1階にカフェレストラン、2階に宿泊用の相部屋と個室がそれぞれ一部屋ずつ造られます。円頓寺の各商店街は空き店舗の割合も多いですが、地元が中心となり熱心に空き店舗対策に取り組まれている様子がうかがえます。また、隣の「肉の丸小」は映画「寄生獣」のロケに使用され、劇中主人公が母親とメンチカツを買っています。
同商店街は日中は車両進入禁止ですが、大須のように徹底されておらず何度か通り抜ける車を見かけました。
商店街東端。
堀川にかかる「五条橋」。清州越しの際に五条川から移築されました。趣のある石畳が特徴で、名古屋市都市景観重要建築物等に指定されています。
五条橋から見た円頓寺商店街。
2015年1月25日撮影。まだ改装中のころ。
1月25日撮影。
加藤みどり「なんということでしょう。」
★商店街手前を南に折れると、
★そこは「四間道(しけみち)」エリアとなります。
★一帯は清州越しの際に形成された商人町でしたが、1700年(元禄13年)に発生した大火により1500軒以上もの町家や寺社が焼失しました。これをきっかけに、尾張藩4代藩主徳川吉通は防火対策を研究させた上で、町家裏手の通りを四間(約7メートル)に広げ、堀川を利用した水運と延焼を防ぐ目的で沿道に土蔵の建設を推奨しました。現在も当時の蔵や町家が多数残されています。
★周辺には、蔵や町家を改装したカフェや雑貨屋などが次々に開店しており、名古屋の貴重な散策スポットとして近年脚光を浴びてきています。
★中には石垣だけ残って駐車場になってしまっている土地もありますが、国宝犬山城下の「本町通り」のように厳密な景観ルールを設け、空き地に蔵や町家を再現した店舗が沢山建つようになると、人も呼び込めてより引き締まった町並になるのかなと思います。同地区に出店を希望する方々も多いようで、家賃の相場はここ数年で千種区の覚王山と互角レベルにまで来ているようです。円頓寺商店街と四間道がクロスする名鉄協商の広大なコインパーキング一帯を、エリアの起爆剤として町家が建ち並ぶような風景に再開発できないものでしょうかね。
【出典】歴史薫る「四間道」出店相次ぐ(2014年11月17日 中日新聞)
(↑ココです…)
★「四間道」は通り単体でなく、一帯を総称して呼ばれることもあります。
★四間道入口付近にある「浅間神社」。ここから北の円頓寺商店街入口までが元々の「四間道」の通りになっています。
★こちらは一足早く改修が完了している「円頓寺本町」商店街です。レトロな雰囲気が多く残るアーケード街ですが、せっかくの日曜昼時なのに定休日になっている店が結構多かったです。また後継者が見つからず、廃業になっている店も結構あるようです。
江西・幅下小との統合により跡地利用が注目される「那古野小学校」。既存建物を解体するかどうかもまだはっきりしていないようですが、円頓寺商店街経由で四間道エリアと名古屋駅を結ぶ超重要な敷地です。ここの動向により円頓寺の将来が決まると言っても過言ではありません。
那古野小・円頓寺3商店街・四間道の位置関係。(※名古屋市都市センター「那古野小学校の活用に関する調査研究」より)
【出典】「那古野小学校の活用に関する調査研究」(名古屋都市センター公式サイト)
★…2014年11月29日撮影。
その他、2枚を除いて2015年3月8日撮影。