パルコは、中区栄の南大津通りの一角(名古屋パルコ西館の西向かい)に、新業態の都市型店舗「名古屋ゼロゲート(仮称)」を建設します。一帯は、パルコ西館・東館・南館のほか、松坂屋本店の南館や本館、その他路面店などが密集する中部地方随一の商業地で、遠方からも集客が見込める抜群の立地条件です。
かつてのパルコは、旧セゾングループ(西武系)のデベロッパーとして商業テナントビル「PARCO」の全国展開を進めてきました。旧セゾングループの解体後は同じくデベロッパーの森トラスト傘下に入り、一時は都市型SCの全国展開を狙うイオンとの業務提携も取り沙汰されましたが、現在は大丸松坂屋百貨店の持ち株会社である「J.フロント リテイリング」の傘下に入り、新たなスタートを切っています。“株式会社”としての「松坂屋」は現在は存在しませんが、事実上、「松坂屋」と「パルコ」が同一グループとなったことで、栄地区にそれぞれ旗艦店を構える両者の結び付きは今後より一層強まると思います。既に「大丸松坂屋百貨店」との間では、広告やキャンペーンの共同企画も実施されています。
名古屋ゼロゲートの開業は、1989年の「名古屋PARCO西館・東館」開業、1998年の「名古屋PARCO南館」開業以来、パルコとしては栄地区において3店舗目の出店になります。
ゼロゲート建設予定地。この土地には、元々老舗料亭の「蓬莱(ほうらい)」や複数のブティックが入る「さくらアパートメント(旧さくらや旅館)」などがありました。しかし景気の上向きとともに投資マネーが流れこみ、さくらアパートメントは2007年3月末に閉館。一帯の解体工事が始まりましたが、今度はリーマンショックの影響で一時は買手不在の状態となります。その後地元の繊維商社「タキヒヨー」が土地を取得し、最終的にすべて更地となった後はコインパーキングやレンタカー屋が一時的に営業をしていました。
昨年、一部の経済紙には「商業、オフィス、ホテルで構成する地上40階建て規模の超高層ビルを建設し、商業部分にはファッション専門店館大手の誘致を目指す。」といった飛ばし記事も掲載されましたが、今年の7月にパルコがタキヒヨーから土地を借りる形で、地上3階建てのファッションビルを建設する「名古屋ゼロゲート(仮称)計画」を発表。現在は一部のコインパーキング以外は閉鎖され、ゼロゲートの着工に向けた準備が進められています。
パルコが名古屋市に提出した出店概要書によると、信号のやや左寄りにエスカレータ付きの正面エントランスが整備されます。
★奥に見える高層ビルは「ロフト名古屋」が核テナントの複合施設「ナディアパーク」。
敷地北側には、店舗への入口が1箇所設けられます。少し前まで営業していたニッポンレンタカーは閉鎖されています。
敷地北側よりパルコ西館(東方向)を望む。
この道路は通常東行きの一方通行路ですが、この日は南大津通りの歩行者天国実施のため規制解除が行われていました。
階高がかなり高いです。また市の出店概要書では延床面積が6,623㎡(店舗面積5,581㎡)となっており、数値が食い違っています。パルコのプレスリリースでは「延床面積 約7,500㎡(予定)」となっていたので、看板の数値のほうが正しい気もします。
敷地西側のこのあたりに、屋上駐車場へのアプローチと駐輪場などが整備されます。駐輪場の奥に店舗への入口が1箇所設けられます。
★最近すっかりCMを見なくなりましたが、90年代はよくテレビでやっていた「アサヒドーカメラー」。マイナーですが、名古屋では割と有名です。ゼロゲート開業後もこの地に残ります。
【参考】名古屋・栄三丁目への商業施設「ゼロゲート」の出店決定について(2013年7月1日 パルコ プレスリリース)
【参考】名古屋ゼロゲート(仮称)(平成25年8月2日提出) 出店概要書(名古屋市ホームページ)
★…2013年8月11日撮影。
その他は2013年10月27日撮影。