いよいよJRゲートタワー内に出店する「タカシマヤゲートタワーモール」のオープンを来月に控え、内装工事もほぼ完了しました。モール2階の最新の様子や一部の店舗情報も含め、ゲートタワーモールのポイントをまとめました。
売上・売場面積共に国内最大規模の高島屋へ
それぞれ開業日が異なります
ゲートタワー内の施設は、4月中の3日、および5月にわたってそれぞれ開業時期が異なっています。地下1階のカフェ・コンビニとバスターミナル、2階の保育所は4月1日(土)、9~10階のビックカメラ、11階のユニクロ・GU、12階のレストラン街は4月7日(金)、ゲートタワーモールの2~8階フロアとゲートタワーホテルは4月17日(月)、フィットネスクラブはプレオープンが4月7日(金)、グランドオープンが5月1日(月)となっています。
他店と比較したゲートタワーモールの規模は?
毎月初めに発表されるJR名古屋タカシマヤの売上高速報は、今後既存のJRタカシマヤとゲートタワーモールを合算して発表することが決まっています。2016年の年間売上速報では、JRタカシマヤが1,238億円でした。これにゲートタワーモールの年間売上目標値337億円(2年目以降の標準年度における)を合算すると1,500億円を超えます。2016年において共に1,300億円の売上がある高島屋日本橋店・横浜店を抜いて、全国の高島屋で最大の売上となり、国内のすべての百貨店でも、三越日本橋本店(1,683億円)に次いで5番目の売上となりそうです。
一方店舗面積は、ゲートタワーモールの店舗面積が32,000 ㎡、JRタカシマヤが55,000 ㎡で、合算すると87,000 ㎡。全国の高島屋の中では本店の78,000 ㎡を抜いてトップに、国内でも松坂屋本店(86,758 ㎡)を抜いて、あべのハルカス近鉄本店に次ぐ2番目となります。
151店舗が一挙オープン!55店舗は東海初進出。
フロア構成 (株式会社JR東海高島屋ニュースリリースより)
ゲートタワーモール内部はそれぞれフロアごとにコンセプトが設定されていますが、特に雑貨テナントやカフェをメインエントランスのある2階と、4階および6~7階を中心に万遍なく配置することで、駅の利用客にも入店しやすい雰囲気を造り、かつ上層階までの回遊性を高める工夫がなされています。また、3~11階は既存のJRタカシマヤと連絡通路で結ばれ、一体的な店舗運営が行われます。
ここが(株)JR東海高島屋のこだわりポイント!
充実のレストスペース 「ローズテラス」(株式会社JR東海高島屋ニュースリリースより)
JR名古屋タカシマヤの各フロア中央部に配置されたレストスペース「ローズパティオ」が好評であることを受け、ゲートタワーにおいても、吹き抜けやエスカレーターの周辺などにフロアごとに異なるデザインのインテリアを計349席設置します。通常、デパートのフロア中央部は売場とされている場合が多いですが、JR名古屋タカシマヤはあえて自販機や雑誌などをフロア中央部の2~3店舗分のスペースに設置しました。2000年のグランドオープン以来、入店者数・売上ともに驚異の更新を続けるJRタカシマヤの意志が、このゲートタワーモールにも受け継がれます。
国内最大級の「パウダーラウンジ」 (株式会社JR東海高島屋ニュースリリースより)
ゲートタワーモールでは、トイレの広さを十分確保するだけでなく、隣接する空間にパウダーコーナーなどのアメニティ機能を充実させています。JRタカシマヤの来店客に対しきめ細やかに行った調査を元にトイレ空間を一から見直し、各フロアごとに従来のトイレ空間を“リフレッシュ空間”へと大きく進化させました。JRタカシマヤには無いこの「パウダーラウンジ」は、同モール最大の魅力に位置付けられています。JR名古屋タカシマヤが松坂屋本店を抜いて地域一番店に上り詰めた要因は、この顧客の声を最大限に引出すリサーチ力と、それを忠実に店舗づくりに生かす再現力にあると思います。
SNSとの連携 (株式会社JR東海高島屋ニュースリリースより)
女性をターゲットにしたセレクトショップが多数入店することから、ゲートタワー公式アプリが4月3日にリリースされます。各ショップからの新着情報やおすすめコーディネート、顧客からの投稿セレクションなど、日々のファッション選びに役立つサイトづくりを目指すとしています。またこのアプリでは、顧客側の閲覧や投稿でポイントがつき、ポイントがたまるとプレゼントに交換できるサービスもあるようです。
店舗配置も工夫
2~4階フロアの例 (株式会社JR東海高島屋ニュースリリースより)
南北2箇所のエスカレーター前に、集客力・話題性のある大型テナントが配置されています。その間をつなぐ2本の広い通路に面して 個性豊かなショップが並ぶスタイルを各階共通のレイアウトとし、初めての来店客にもわかりやすいフロア構成かつ、回遊性を高める工夫がなされています。
名駅の夜がさらに賑やかに!
ゲートタワーモールは全館21時まで営業 (一部店舗を除く)
名駅前における最大規模の商業施設である「ジェイアール名古屋タカシマヤ」は、同居する東急ハンズや三省堂書店を含め、レストラン街以外は20時まで(一部営業日は不定期で20時半まで)の営業でしたが、今回開業するゲートタワーモールは大部分が21時までとなり、大名古屋ビルショップ&レストラン(21時まで営業)に続いての長い営業時間となっています。151店舗を擁するゲートタワーモールは多数の来店客が予想されるため、名駅の夜がこれまで以上ににぎやかになります。
2階フロアマップ (株式会社JR東海高島屋ニュースリリースより)
既に各階のフロアマップが発表されています。2階はタワーズとJPタワーを結ぶ連絡通路(メインストリート)があるため、他のフロアと比べ変則的な配置になっていますが、全店舗が名駅初出店かつ、14店舗は東海地区初出店となります。モデルの梨花さんプロデュースのライフスタイルストア「MAISON DE REEFUR(メゾンドリファー)」はJPタワー寄りの北側の区画に広くスペースが確保されています。話題性のあるテナントや名駅地区初出店のテナントをメインストリート周辺に集中的に配置することで、隣接するJPタワー(KITTE名古屋)への賑わいの波及効果も生まれると思われます。
3階フロアマップ (株式会社JR東海高島屋ニュースリリースより)
ゲートタワーモールの基本的なフロア構成。既存のJR名古屋タカシマヤとは連絡通路で接続しています。注目の「パウダーラウンジ」に広くスペースが確保されているのがわかります。
8階フロアマップ (株式会社JR東海高島屋ニュースリリースより)
JR名古屋タカシマヤ11階にあった三省堂書店は、2016年に東急ハンズの売場移転のため規模が縮小しましたが、代わりにゲートタワーモールの8階フロア全体に出店し、新たにカフェが併設されます。タカシマヤ内の三省堂書店には都市計画関連の面白い本が多数揃っていましたが、規模縮小によりその売場がなくなってしまいました。新しいゲートタワーモールの三省堂書店内に復活することを期待したいです。
その他の階の細かなフロアマップはこちらでご確認ください。
現地の開業直前の様子(2017年3月18日)
ゲートタワー案内ブース
2階連絡通路のタワーズデッキ側入口付近に、リーフレットなどの設置が可能な案内ブースが設置されています。(ゲートタワーモール内に設置されるインフォメーションカウンターとは別扱い)その奥はタワーズ駐車場への連絡口と、ATMコーナーが設置されています。
ゲートタワーモール正面入口(右側)
タワーズデッキに面した2階連絡通路のエントランスを入って右側手前に、ゲートタワーモールの正面入口があります。JRタカシマヤは1階に正面入口がありますが、ゲートタワーモールは2階にあります。
2階連絡通路(メインストリート)
メインストリートは4階まで吹き抜け空間になっており、3~4階フロアは吹き抜けを包み込むように店舗が配置されています。回遊性をより高めるため近年のイオンモールなどで主流のフロア構成となっている吹き抜け構造がここにも採用されています。通路に向かってテラス状に張り出したブース部分が3階と4階にありますが、3階はレストスペース(ローズテラス)の一部分、4階は雑貨の「Neue(ノイエ)」が店舗スペースとして使用します。
Neueは、文具やインテリア・ファッション雑貨などを扱う神戸発祥のセレクトショップです。東海地区では初の出店となります。
1階バスターミナルへのエスカレーター
連絡通路の中間地点に設置されています。ここからJR桜通口1階玄関へ通り抜けることもできます。
エスカレーター・階段入口(地下1階へ直通?)
フロアマップを見ると、ここに地下1階へ下りるエスカレーターと階段があるようです。入口横の案内表示を見ても 「←B1F」の表示があるので、2階から地下1階へ直通しているのでしょうか? すぐ向かいには地上のバスターミナルへ下りるエスカレーターがあります。
店内BGMも工夫
ゲートタワーの店内通路やレストスペース「ローズテラス」内で流れるBGMにも工夫が施されています。株式会社USENと共同で各階をフロアコンセプトに沿って4系統に分類し、朝・昼・夕・夜の時間帯ごとにセレクトしてオンエアされる予定です。
JPタワー(KITTE名古屋)連絡口付近
メインストリート付近に「MAISON DE REEFOR」など話題性のあるテナントを誘致することで、隣接するKITTE名古屋への波及効果も見込まれます。ゲートタワー内に開設される保育所「キッズスクウェア」の入口もこの付近(写真奥)にあります。
キッズスクウェア・従業員用出入口
2階メインストリートから、2~13階を結ぶエレベーターへと続く通路の脇にあります。
モールらしく、メインストリートより奥は結構通路が入り組んでいますが、開店時はフロア内の見通しが良くなるので迷うことはないかと思います。
【外部リンク】MAISON DE REEFUR(メゾンドリーファー)公式サイト
【外部リンク】ついに名古屋上陸♡梨花プロデュース「MAISON DE REEFUR」(4MEEE)
かつてはJR名古屋タカシマヤ内にも期間限定で出店していましたが、今回のカフェ業態も含めた出店は東京・代官山以外では初となります。
JPタワー(KITTE名古屋)側よりタワーズデッキ方向
2階のKITTE名古屋に隣接したスペースは「トレンド雑貨ゾーン」となっています。中でも、東京・青山にある複合文化施設「スパイラル」が運営するライフスタイルショップ「「+S」スパイラルマーケット」はお洒落な生活雑貨を幅広く手掛けており、東京以外では初の出店となります。
当初計画に加え、1階~地下1階店舗がJRタカシマヤの運営に
1階・地下1階フロアマップ (JR東海高島屋ニュースリリースより)
当初の発表では、ゲートタワーモールのフロアは2~8階となっていましたが、旧テルミナ地下街のあった地下1階や、名駅通りに面した1階のテナントスペースも、ゲートタワーモールの一部として運営されることになりました。
Sarabeth's(サラベス)イメージパース(JR東海高島屋ニュースリリースより)
Sarabeth's(サラベス・1F)
「ニューヨークの朝食の女王」と呼ばれるほど、アメリカではフレンチトーストなど朝食メニューが人気のリッチなレストランです。1981年にニューヨークに1号店がオープンし、国内では東京で3店舗、大阪で1店舗を展開しています。朝食だけでなくランチのほかにアフター5のお酒やディナーなど、一日を通してさまざまなケースに活用できそうです。ゲートタワーの1階フロアにおける唯一のテナントとなります。
東山線地下連絡エスカレーター
地上から地下鉄東山線改札口までのルートにおける、初めてのエスカレーターが設置されました。特にJR桜通口⇔地下鉄東山線のルートは利用客が非常に多いにもかかわらず、これまでバリアフリー設備がエレベーター(信号交差点経由)しか無かったため、これで利便性が格段に向上することになります。
2階店舗入口(タワーズデッキからの直接入店経路)
ゲートタワーモールの入口は、JPタワーとの連絡通路以外に、タワーズデッキからも直接入店できるルートが設けられました。
※各フロアの細かなテナント情報は、下記サイトをご覧ください。
【参考】全ショップ名と店舗環境・サービスについて(2017年2月15日 JR東海高島屋ニュースリリース)
【参考】開業日・主なショップ構成のお知らせ(2016年12月14日 JR東海高島屋ニュースリリース)
※すべて2017年3月18日撮影。