一宮市は、市中心部にある一宮市本庁舎の建て替え工事を進めています。老朽化した現本庁舎および旧本庁舎の東側にあった「新柳公園」と「東有料駐車場」を閉鎖し、跡地に免震構造の新庁舎を建設しています。西柳公園は現本庁舎西側の市有地に再整備される予定です。現庁舎は新庁舎の稼働後に解体され、跡地にはイベント時や非常時の活動スペースとして「七夕広場」が整備されます。また、本町通商店街(西分庁舎横)から新庁舎までは遊歩道が整備される予定です。
既に外観はほぼ完成しています。隣に見える大きな茶色い建物が現一宮市庁舎です。
【一宮市役所 新庁舎 概要】
階数 地上15階・地下1階
高さ 66.10m
敷地面積 8,031.79㎡
建築面積 2,300.42㎡
延床面積 31,139.78㎡
竣工年月 2014年3月
建設地 愛知県一宮市本町2丁目5番1号
建築主 一宮市
設計 株式会社 石本建築事務所
旧本庁舎の跡地に建設予定の立体駐車場とは別に、新庁舎の北側にも機械式の立体駐車場が整備されました。
現本庁舎の北側に隣接する旧本庁舎。県内で最初の鉄筋コンクリート造の市庁舎で、クラシックで風格のある意匠が特徴的ですが、残念ながら解体が確定しています。左側に沿って通っていた市道は廃止されました。
手前(旧本庁舎)は自走式立体駐車場に、奥(現本庁舎)はイベントスペースに再整備されます。
現本庁舎と奥に新庁舎。
旧本庁舎の北向かい(写真右奥)には一宮警察署があります。
一宮市役所西分庁舎。アーケード街の「本町通商店街」に面しています。旧名古屋銀行一宮支店として鈴木禎次氏が設計し、大正13年(1924年)に建築された、鉄筋コンクリート3階建ての立派な建物です。アーケードに隠れて全体の雄姿を拝むことはできませんが、4本の飾り柱が目を惹きます。鈴木氏は他に松坂屋本店や旧名古屋銀行本店(三菱東京UFJ銀行貨幣資料館)などを設計しています。 旧本庁舎は解体されてしまいますが、こちらの西分庁舎は耐震補強やバリアフリー化工事を行った上で保存されます。
市中心部を南北に延びる「本町通商店街」(全長約500m)。本町通りのアーケードは1971年に完成しましたが、本町2丁目~4丁目の約380mにかけての区間は2001年に10億円をかけて全面改修されました。しかし、空き店舗の多数存在する1丁目の残る120mの区間は資金難により同時期に改修できず、古いままとなっていました。
結局最後まで日の目を見ることができず、今年の夏頃ついに撤去されてしまいました。
アーケードの撤去後は上空に電線が張られ、路肩には防犯カメラ付きの街灯が設置されました。ただし将来的には電線を地中化する話もあるようです。
撤去されたアーケードの代わりに、各店舗の軒先に片屋根式テントが張られました。上空も明るくなり、これはこれでアリかなとも思います。
拡張工事中の歯科医院などもありますが、全体的には老朽化した店舗や空き店舗が大半を占め、活気がありません。改修済みの2丁目~4丁目も「七夕まつり」などのイベント時を除いて、普段の人通りはまばらです。かつてアーケードを南に抜けると旧「グランドタマコシ」の大きなショッピングセンターがあり、商店街一帯は大変賑わっていましたが、2004年にタマコシが倒産し、結果的に郊外型SCに押される形で往時の賑わいはなくなってしまいました。
しかし、中には「コスプレ専門店」や「鉄道模型カフェ」など、マニア向けの新業態店舗も進出してきており、なかなか面白いことになってきています。
本町通りの北側に位置する真清田神社。尾張開拓の祖である「天火明命」が祀られており、昔の「尾張国一之宮」にあたります。市内で最も大きな神社であるため、年末年始は参拝客でたいへん賑わいます。また、市の「コスチュームタウン構想」に則り、今年の2月にはコスプレイヤーとの共同イベントも実施され、撮影場所としても解放されていたようです。
【参考】一宮市新庁舎のご案内(一宮市ホームページ)
【参考】新庁舎建設工事を開始(一宮市ホームページ)
【参考】「一宮市庁舎建設工事」専門サイト
【参考】新柳公園の記憶(アースデイ尾張木曽川実行委員会 志民プロジェクト2021)
※写真はすべて2013年12月21日撮影。