栄の中心部に広がる「サカエチカ」のクリスタル広場にて、地下街開業以来初となるオープンカフェの社会実験が実施されました。10/2(日)の1日限りの実施で、事前告知は9/30付けの中日新聞しか確認できていません。おそらく、実験という位置付けからあえて大々的な告知はしなかったのかもしれません。「サカエチカ」の公式サイトにも案内は確認できませんでした。
複数機関とのタイアップによる実験
今回の実験は、名古屋工業大大学院の研究チームが中心となって行われ、カフェ利用客や周辺の通行人へのアンケートも行われました。
オープンカフェ「Chika Deli」
利用客は、カフェ内のブースにてメニューを注文でき、「星野珈琲店」や「クリスピー・クリーム」「不二家」など、周辺の協賛店舗からドリンクやフードを運んできてくれるシステムです。一部メニューはブースにて直接出してくれるものもあったようです。
模擬公開ラジオ「Chika Radio(チカラジ)」
実験ではカフェの運営に合わせて、サカエチカを運営する「栄地下センター」の関係者や名工大大学院教授が「サカエチカの過去・現在・未来」を語るトークショーのほか、愛知淑徳大のダンスチームと金城学院大のチアガールによるダンスも披露されました。一連のイベントは、模擬的な公開ラジオとして行われ、ダンスやトークショーの様子は背後のドコモラウンジ内のディスプレイにも映し出されました。しかしダンスそのものは安全を考慮してか、完全にラウンジの中で行われていたため、カフェからは観客に隠れて殆ど見えませんでした。せっかくならカフェで一息つきながら間近で見れればもっと客が集まったのではないでしょうか?(笑)
クリスタル広場
先般の発表のとおり、「サカエチカ」は、クリスタル広場を中心に2017年度より全面的にリニューアル工事が始まり、2019年11月の再オープンが予定されています。トークショーの中では、事前アンケートにて“栄の地下には座る場所がない”ということで、まずはクリスタル広場の噴水周りのチェーンポールを一斉撤去し、通行人が腰掛けられるようにしたそうです。そういえばいつもと何か違和感があるなと思いましたが、そういうことか…。意外と気づかないもんですね(笑)
このクリスタル広場に隣接するドコモラウンジは、定期的にトークイベントが行われており、日産ギャラリー時代の役目をしっかり受け継いでいます。また、近隣のラシック1階に併設された「STUDIO LACHIC」では、FMラジオの公開生放送に大勢の人が集まります。そして今回の模擬ラジオによるトークショーやダンスイベント…地下街を行き交う人たちが沢山足を止めていました。かつて名駅のユニモールにあった、東海ラジオのサテライトスタジオが無くなって久しい中、街中での情報発信の在り方が、改めて見直されてきているのかもしれません。「生」のトークが人々の心を響かせる力は、昨今のSNSだけでは決して生み出せないと思います。音楽ライブ、パレード、トークショー、公開生放送…「生」の声が街中に響くことで、街に一層「賑わい」が生まれます。そこに改めて目を付け、今の栄が名駅と差別化を図るためのヒントの1つと考えている人たちはきっと少なくない。そう感じました。
※すべて2016年10月2日撮影。