2014年8月より工事が始まった東京駅丸の内口の駅前広場整備は、2017年冬の全体完成に向け最終段階に入りました。同駅周辺では、日本の首都にふさわしい多彩な魅力と先進の機能を備えた駅となるよう、 JR東日本が中心となって都市空間の再整備が進められています。交通広場(南側)の完成に続いて、2017年5月末には「丸の内中央広場」(仮称:都市の広場)が供用開始となり、残る工事は交通広場(北側)を残すのみとなりました。前回は中央広場の夜景をお伝えしましたが、本記事では明るい時間の中央広場をお送りいたします。
歩行者空間を大幅に拡張
広場の全体図。これだけだと何がどうなったのか、東京以外の方にはわかりづらいかと思います。
出典 Google ストリートビューより
かつての丸の内口は、有楽町方面から日本橋方面にかけ、皇居方面への行幸通りとのT字路をかすめるように都道が「くの字」に通っていました。都は新たに駅前広場の整備スペースを確保するため、広場予定地内を横切る「⌒」のカーブ区間を廃止し、広場外周の都道へ統合する形で再整備する方針を示しました。これにより、従来せせこましかった丸の内口の歩行者空間を、丸ビル方面へと大幅に拡張することが可能となりました。元々周辺の道路は車の通行もさほど多くなく、都道の一部廃止後も目立った混乱はないようです。大阪駅北口もそうですが、日本を代表するターミナルの駅前が道路でもタクシー乗り場でもない、歩行者の憩いの場が一面に広がる風景を見ると、まちづくりも新時代に突入したのだなと実感します。
完成した「丸の内中央広場」
丸の内中央広場
タイルのデザインは、先行して再整備された「行幸通り」に合わせ、石畳が採用されています。石畳というと城下町などでよく見られるイメージですが、こうした都会のど真ん中で採用されているのも乙なものです。
丸の内駅舎は南北およそ330mの長さ。京都駅ビルの470mには及ばないものの、これほどの規模を擁した歴史的建造物は実際に見ても圧巻。
いつかステーションホテルに泊まってみたい…
丸の内中央広場のベンチ。八重洲口の駅前広場にも、再整備によってこうしたベンチが多数設置されました。しかし八重洲口と違ってこちらは夜間になるとポールで囲まれます。宿を取り損ねた人や終電を逃した人がここで野宿しないようにするためでしょうか。以前付近を訪問した際、行幸通りの石のベンチ上で昼間からスケボーをやる行為が見られたので、防犯の意味合いでもこうした措置はやむなしかと思います。(丸の内駅前広場には警備員が常駐)
整然と並ぶケヤキの大木が、背景の駅舎の厳格な雰囲気とよくマッチしている。
この丸の内駅前広場のベンチも石で造られています。こうした1つ1つの質感を実際に肌で触れて楽しめるのも、街歩きの醍醐味の1つ。
都道402号側(丸の内駅前広場北側)
こちらの歩道も整備が終わり、一般に開放されています。広場の中央部で一部立ち入りが制限されているのは、イメージ図で芝生広場になる箇所と思われます。
「交通広場(北側)」は2017年冬完成へ
残る交通広場(北側)の整備が進められています。全体の完成は2017年冬の予定となっています。
だいたいロータリーの線形も出来ている様子。
バス停の上屋も確認できる。
北側の外周道路も少し拡幅されるようです。
交通広場(北側)進入口
交通広場の北側と南側ではそれぞれ進入口が別になっており、南側の進入口はJPタワー(KITTE)前にあります。
東京駅丸の内北口交差点
外部リンク 東京駅丸の内駅前広場整備の完成予定時期の変更について(2016年12月8日 JR東日本プレスリリース)
※すべて2017年9月10日撮影。