今年4月に開業予定の「レゴランド・ジャパン」と、隣接する旧「金城ふ頭中央緑地」跡に3月に先行開業予定の商業ゾーン「メイカーズ・ピア」の工事の進捗状況を見てきました。
気になるメイカーズ・ピアの全容
オーシャンアリーナ駐車場から見た、メイカーズ・ピア敷地南東側。金城ふ頭から一番近い場所ですが、こちらは裏方になっており一般客の出入口はありません。敷地内では物販店舗などの建設が進んでいます。
出店情報については、AiDEMさんのメイカーズピア専用求人サイトや、legongo758様の「レゴランドジャパンを追いかけるブログ」の記事でもご覧いただけます。特に誘致される飲食店では、調理や接客といった体験型プログラムを計画している店舗が多く、候補地選定にあたって家族連れの来場客に重点を置いたレゴランドのコンセプトにも合致する施設内容となっています。その他、新業態として出店する飲食店やお化け屋敷等も計画されており、近隣のモール型商業施設とは十分差別化を図れると思います。これまで金城ふ頭駅前にはファニチャードームを除いて飲食・物販施設がほぼ皆無だったので、メイカーズ・ピアの成功が今後のふ頭全体の将来を占う試金石になると思います。
メイカーズ・ピア 完成イメージパース(第1期)
3月の第1期開業エリアのイメージパースです。第1期は全体敷地面積3万3,000m²のうち、2万4,000m²を開発し、約50店舗(延べ約9,400m²)を誘致します。施設全体は、某食品メーカーがアンカーテナントとして入る「テーマ館」のほか、「フォレストガーデン」「セントラルパーク」「アップタウン」の3つのコンセプトゾーンで構成されるようです。某食品メーカーとは、先般レゴランド・ジャパンとの正式パートナーとなった森永乳業ではないかと思います。(現段階で不明です。ビー玉様、ご指摘ありがとうございました。)また、第2期工事では、西側に隣接して現在工事事務所が置かれているモータープール跡(約9,000㎡)に「ダウンタウン」と呼ばれる新たな商業ゾーンを形成する計画です。第2期エリアの開業時期は未定ですが、第1期開業後すぐの着工を目指すとしています。
オーシャンアリーナ駐車場より
写真の3つ連なった大きな三角屋根の建物は、上のイメージパースでは一番手前に描かれている建物です。おそらく規模とイメージパースに描かれた施設内部の様子的にこれが「テーマ館」ではないかと予想しています。(テーマ館にあたる建物は、当初イメージパースから削除されているようです。ビー玉様、情報ありがとうございました。)(2017年1月6日訂正)
オーシャンアリーナ駐車場から見た正門付近
正門の壁に、2018年開業予定のレゴランドホテルのPR看板が設置されました。
メイカーズ・ピア敷地北側から
工事用ゲートの向こうなので見にくいですが、ログハウス風の店舗がいくつか並んでいます。全部ではないですが、40年前に植えられた木々がこうしてリゾート感のある空間に生かされているのは嬉しい限りです。このほか、メイカーズ・ピアの入口付近には高低差6mのすべり台を設置するほか、中高木にツリーハウス、そして音楽に合わせて踊る噴水(?)や、イベントなどの開催が可能な芝生広場なども設置される予定で、訪れる子供たちに向けた”非日常的”な空間を演出する計画です。
オーシャンアリーナ駐車場から見た「メーカーズ・ピア」建物内
ズームで撮ってみました。手前の建物に何が入るのかはまだわかりません。
パーク北側の道路から見た正門付近
この正門のすぐ前(工事用フェンスの奥)に道路が横切っているはずなのですが、まさかそのままってことは…?
Observation Tower(オブザベーション・タワー)
椅子に座って落下するアトラクションではなく、3分30秒かけて頂上まで到達する、高さ50mの回転昇降式展望台です。他国のレゴランドでは標準アトラクションとなっているようです。これまで金城ふ頭にはエリアを一望できるタワーが無かったので、これで拡張工事(予定)の撮影も捗るかな?(1回分の入場料を払えば…笑)
名港中央インター
パーク敷地の北側は伊勢湾岸道の高架があり、一部ランプ部の高架が堂々と敷地内に干渉しています。元々パークの敷地はふ頭のモータープールだったので、あまり細かいことは考えずに設計されたように思います。
このあたりは裏方の管理用通路となっているようで、一般の来場客が踏み入ることはなさそうです。
レゴランド・ジャパン本社
管理用施設のような建物は、レゴランド・ジャパンの本社でした。ビー玉様、情報ありがとうございました。(2017年1月6日訂正)
Submarine Adventure(サブマリン・アドベンチャー)(2016年11月13日撮影)
左手前の緑色の建物が「サブマリン・アドベンチャー」。レゴでできた装飾のほか、本物のサメや魚が泳ぐ水槽内を潜水艦で探検するアトラクションで、イギリス・ドバイに次いで3番目の誕生となります。
Palace Cinema(パレス・シネマ)(2016年11月13日撮影)
300席以上を備えた4Dシアターでした。ビー玉様、情報ありがとうございました。(2017年1月6日訂正)
Dragon's Apprentice(ドラゴン・アプレンティス) The Dragon(ザ・ドラゴン)(2016年11月13日撮影)
小さなお子様も楽しめる、ミニ・ローラーコースター(左)です。 もう一回り大きいジェットコースターでした。ビー玉様、情報ありがとうございました。(2017年1月6日訂正)手前はポートメッセなごや第一展示館の敷地ですが、こちらもレゴランドの拡張用地となります。
レゴランド敷地北西側より
工事中はバッチリ内部が見えましたが、仕上げ工事にて目隠し用の柵が設置されてしまったため、あとは開業後のお楽しみとなっています。前回中が見えたときは、アトラクションもそこそこ充実しており、水辺で遊ぶアトラクションなど、楽しそうなものがたくさんありました。詳細はレゴランドの公式サイトもぜひご覧下さい。
※リンク先のソースは時間が経過するとリンク切れとなる場合があります。
【参考】レゴランド隣に体験型店舗 そば打ちお香作り…3月開業(2017年1月1日 中日新聞)
【参考】レゴランド開園控え、事業者協議会が初会合 案内板設置・ネットでのPR・地震対策の策定など(2016年11月30日 中日新聞)
【参考】森永乳業株式会社が、2017年 4 月に開園する『LEGOLAND® Japan』 初のオフィシャル・マーケティング・パートナー契約を締結 (2016年6月23日 森永乳業プレスリリース)
【参考】名古屋港湾に“メーカーズピア ”第Ⅱ期はダウンタウンを形成(2015年12月8日 商業施設新聞)
金城ふ頭の”観光地化”を考える
レゴランドの開業を機に、巷では「ふ頭を観光名所に!」という声が挙がってきています。
前記事にも載せた、この「メキシコ大通り」は金城ふ頭のメインストリートですが、現状は歩いてみてもちょっと寂しいですよね。一般的に”観光地”といえば、古くからの歴史の下に発展してきたところや、メディアの情報発信力によって全国に名を馳せているところが多い中、金城ふ頭は元々は工業港。ポートメッセでの展示会以外では、なかなか足を踏み入れる機会がありませんでした。したがって、今後はこれまでとは180度ベクトルの向きを変えていかなければならないわけですが、全国的な地名度もあまりありません。つまり、金城ふ頭を観光地化するのは、ほぼ“ゼロ”からのスタートだと思っています。これは容易いことではありません。本気で一帯を観光地化するのであれば、トータル的なランドプランの下、細かな部分も含めた「ふ頭全体」の”雰囲気作り”から始めるべきだと思います。トータル的なランドプランとは、単なる土地利用計画ではありません。もっと細かい部分です。それこそ歩かなければ目に留まらないような様々な気配り・工夫です。ちょっと前の流行語じゃないですが、他所から来た人たちに「おもてなし」を感じさせる工夫です。
名古屋にどうしても「観光」のイメージが沸かないのは、ここが足りないからだと思います。雰囲気って意外と重要なんです。後から取って付けたデッキの往復だけで動線を完結させてしまうのは、結局点での開発と同じです。スポット的に開発するだけで直ちにエリア一帯が”観光地”となりえるかどうか、私は疑問です。賑わいの中心から距離的にはさほど離れていないのに、どこか隔離されたような気分に浸ってしまうのは、面的開発ができていない。名古屋都心部全体に言える長年の課題だと思います。これはどんなに高い超高層ビルでも、魅力的な商業施設でも解決できない。ちょっと歩いた名古屋駅前や金山駅前の現状がそうだからです。
※注釈のある写真以外はすべて2016年12月31日撮影。