今年3月に閉館した「ランの館」が、久屋大通庭園「フラリエ」としてリニューアルオープンしましたので、見てきました。
若宮大通に面した正門前から。以前は右奥の建物の入口で券売機を買って入園するシステムでしたが、塀をぶち貫いて新たなアプローチが設けられ、非常に開放的な雰囲気になりました。
園内案内図。クアドフォリオのディナーの営業時間が17:30~22:00までとなっていますが、正しくは22:30までです。【ホームページ参照】
ビール&ワインガーデンの「ガーデンキッチン フラリエ」。元々テント内は休憩スペースで、花の販売などの催し物も行われていました。
左のカウンタースペースは、かつて「ガーデンカフェ」として利用されていました。現在はガーデンキッチンの営業時のみ機能しているのだと思います。
クリスタルガーデン(左・旧「アトリウム」)と西ウイングをバックに。クリスタルガーデンは、大温室になっていますが、この日は名古屋音大による演奏会が行われていました。
西ウイング1階にオープンした「フラリエカフェ」では、落ち着いた雰囲気の店内で、ランチセットやドリンクをカジュアルな感覚で楽しめます。
ランの館時代は、「小展示室」として使われていたフロアでした。
西ウイング2階にオープンした、イタリアンレストランの「クアドリフォリオ」。以前ゼットンが運営していたレストランに比べ気軽に楽しめる価格帯とのことですが、この日は某番組のロケをやっていたためか、貸切状態でした。ランチ・ディナー両方やってます。(ディナーは17:30~22:30)
「ランの館」時代の名残で、西ウイング1階の「KEIKAEN」にてランの販売は継続されています。
西ウイング1階の案内ディスプレイ。
西ウイング2階のテラスから、矢場町・久屋大通方面。
北ウイング(旧「花飾りモデル展示棟」)。
春日井のデザイナーさんによる雑貨の販売が、北ウイングの「イベントスペース」にて12月25日までの期間限定で行われています。
北ウイング内の様子。内装は98年のランの館開業当時のままだと思いますが、日頃から入念に手入れされていたのか、かなり綺麗な状態でした。
イベントスペース。高校・大学生にも受けが良さそうなかわいらしい雑貨が沢山ありました。しかし、来場者は全体的に年配層が8~9割といったところで、折角矢場町の近くで販売されているのに若年層を今一取り込めていないのはもったいないと感じました。そもそもこれまでランの館の存在すら知らない人たちも多かったことを考えると、やはり施設のアピール方法の再検討やコラボイベントの開催などが今後の課題だと思います。隣の部屋は、名古屋三越が運営する常設の雑貨店「フラリエZakkaブティック」になりました。
【Shinzi Katoh 公式ホームページ】
【オンラインショップ Shinzi Katoh Collection】
「アジアンガーデン」。全体的にもう少し花の種類がたくさんあるといいなと思います。
東側の門も解放されました。(開門時間は9:00~17:30)
「ウォーターガーデン」の噴水池。
「ランの館」時代の案内図。(名古屋市ホームページより)
池の東側には、かつてランの館の前身(前津公園)時代のものである屋根付きの休憩施設(78.5 ㎡)が設置されていましたが、屋根が崩落する危険があったため長らく「未供用区域」として立ち入ることができませんでした。今回のリニューアルを機に施設が撤去され、区域内に立ち入ることができるようになりました。
立ち入りが解禁された休憩所跡地周辺。丸い形をした芝生広場が、かつて円形の屋根が設置されていたことを物語っています。また、近くには桜の木があり、花見もできるようになりました。
駐車場は有料のコインパーキングが設置されました。平日昼間は20分100円、土休日昼間は30分200円です。
全体を通しての感想としては、施設の無料開放によって出入りがしやすくなった半面、カフェでの休憩やランチ・ディナーがメインの施設となり、目を惹くような「植物」の展示がかなり減った印象を受けました。もっともランの館時代は入館料を徴収していたので継続的な展示も可能だったのだと思いますが、現在のテナント収入だけではそこまでの手入れができなくなってしまったのでしょうか?細かく見ていてもミッドランド外構の植栽のほうがよく手入れされているような印象を受けたので、もう少し目を楽しませてくれるような展示があると嬉しいですね。また、南隣に隣接している公園の敷地に庭園を拡張するのも良いのかなと思いますが…おそらく資金的に難しいのでしょう。
カフェやビアガーデンの雰囲気が良いだけに、全体的な底上げにはまだ可能性があります。再出発を切って、これまで以上に愛される施設となることを願いたいです。
※写真はすべて2014年9月27日撮影。