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名鉄が名鉄名古屋駅地区再開発計画の建物イメージ案を公表!駅設備を現状の2倍に拡張へ!再開発区域の現状レポ! 2017.3.29

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名鉄新ビル[1]

 名鉄名古屋駅地区再開発計画 イメージパース(案 ※名鉄ニュースリリースより

名古屋鉄道は、2027年のリニア中央新幹線の開業を見据え、名鉄名古屋駅および名鉄本社ビル・名鉄百貨店本店と隣接するビルを含めた大規模再開発事業を三井不動産や近鉄・日本生命と共同で計画していますが、2017年3月29日に名鉄より再開発計画のイメージパース案が「名古屋駅地区再開発 全体計画」として初めて公表されました。

名鉄基盤整備案

 中期経営計画 PLAN123発表時の再開発イメージ(2015年3月時点)     ※名鉄公式サイトより

今回発表された全体計画では、5年後の2022年度の工事着手を掲げています。完成予定は当初予定と変わらずリニア開業の2027年となっていますが、電車の運行を止めずに、わずか5年で地下駅やバスターミナルの改造も含めた再開発を完了させるとなると、かなりハードスケジュールです。終了していなければプロジェ〇トXで特集が組まれるレベルの難工事となります。

 再開発対象区域は約2.8ヘクタール!

今回のイメージパースを基に計画が進めば、名古屋駅前にまた一つ個性的な超高層ビルが仲間入りすることになります。

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 ミッドランドスクエア前より

建替えの対象となっているのは、北は名鉄百貨店本館から、南は日生笹島ビルまでの約400mの区間にある6棟のビルです。1952年に名鉄ビル全館が、1966年に近鉄パッセ(近鉄百貨店名古屋店)の入る名古屋近鉄ビルが竣工しました。名鉄百貨店は2007年のミッドランドスクエア開業に合わせ、200億円を投じて大改装を行いましたが、新ビルへの再出店は未定です。

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 名駅通りと太閤通りがクロスする笹島交差点

名鉄レジャックは1972年、日本生命笹島ビル(地上17階・高さ74m)は1974年に竣工しており、こちらも共に老朽化が進んでいます。

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バスターミナルはメンズ館裏側のJR線に面した3~4階部分にあります。また、名鉄レジャックと大手町建物名古屋駅前ビルの間には、広小路通りを経由して名古屋の東西エリアを結ぶ大動脈の1つである”太閤通り”が横切っています。

高さ最大180m・幅400mの超高層ビルは日本で前例なし

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高さ60m・幅約470mのJR京都駅ビル ※大林組公式サイトより

2014年の年末に出た情報では、日経新聞のみ地上50~60階建ての複合ビルと報じていましたが、今回各紙・各テレビ局が報じた情報によれば、高さは160~180m(最大180m)の30階建て程度のビルとしています。また、建替えの対象となっている北端の名鉄百貨店本館~近鉄パッセ~メンズ館~LABI名古屋(旧ヤング館)~名鉄レジャック~南端の日本生命名古屋ビルの跡地を跨ぐ、南北約400mもの超巨大な超高層ビルとなる予定で、横幅では470mある京都駅ビルには及ばないものの、高さについては京都駅ビルが縦に最大で3つ重なる規模に匹敵し、日本の高層建築においても前代未聞の超巨大ビルが建設されることになります。

名鉄検討イメージ

 中期経営計画 PLAN123発表時の再開発イメージ(2015年3月時点)     ※名鉄公式サイトより

発表されたイメージパース案を拡大して見てみると、低層階は地上12階分、高層階は18階分と思われるフロアがあり、階数については今回の報道(30階)と確かに合致しています。また、高層部も高さの揃った3棟が横に一体化しているようにも見え、こちらも2015年の中期経営計画内にて公表された、3つの敷地にそれぞれ独立した高層部を配置する案を踏襲しています。ただしあくまで今回発表されたイメージは、現段階での「案」としてのパースのため、規模やデザインに関しては今後変動する可能性があります。

 都市再生特別地区制度の活用

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 太閤通りをまたぐ新ビル案

全体計画では、名鉄本館~日生笹島ビルまでを幅400mのビルで繋ぐ案が浮上していることから、レジャックとLABI名古屋の間を通る「太閤通り」をまたぐことになります。従来、道路の真上に建物を建てるのは法令上困難でしたが、都市再生特別措置法に基づき創設された「都市再生特別地区」を従来の都市計画緊急整備地域内に設けることで、従来の容積率などの制約を受けない、より自由度の高い建物の建設が可能となり、道路をまたいで建物を建てることも可能になりました。基本的に「都市再生特別地区」は都道府県の都市計画により決定されますが、開発事業者などが行政に指定を働きかけるケースもあります。(「都市再生特別地区」の指定を目指す「丸栄本館」・「栄町ビル」の再開発計画など)

名鉄新ビル[1]

イメージパースでは、太閤通りが完全にビルの中に潜りこみ、トンネルのようになっています。新ビルの設計はまだこれからの段階ですが、仮にこの計画通りに実現すれば、地上180mの超高層ビルが道路をまたぐ国内では初めてのケースとなります。

  今の名鉄本社ビルも道路をまたいでいる?

名鉄道路

 Google mapより

現在の名鉄本社・メンズ館のあるビルも、実は道路をまたいでいるのです。

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名駅通りより新幹線方面を望む

名鉄本社ビル、さらに奥のJR在来線・あおなみ線・新幹線をくぐり、太閤通口の市道椿町線までを貫く一方通行路です。元々名鉄のビルが建つ前から道路があったのかどうかはわかりませんが、確かに一般道をまたいでいます。

 駅までの増線(分岐)スペースをどのように捻出するか?

名鉄名古屋駅 全体計画

 名鉄名古屋駅再開発 全体計画(2017年3月29日発表) ※名鉄公式サイトより

今回の全体計画の発表にて、現状手狭となっている名鉄名古屋駅を南東側へ拡張する案が示されました。近鉄パッセや名鉄百貨店の地下フロアを駅の拡張用地に充てると思われます。中部国際空港への特急専用ホームの新設も引き続き検討されており、線路も増設される可能性が高くなっています。そこでホームを増やすとした場合、現状上下1線ずつしかない線路を、駅構内までどのように分岐させるのかという点に注目してみました。

 名鉄ビルへの名古屋高速直結の断念(

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再開発対象区域の南端に、名鉄バスセンターや立体駐車場へ繋がるスロープの入口があります。当初は名古屋高速を名鉄名古屋駅の再開発ビルに高架もしくは地下で直結させる構想があり、このスロープを高速出入口に転用させる案も浮上していました。しかし新ビルとの接続部分の用地買収だけで200億円を要するなど、費用対効果の面で名鉄側が県や名古屋市に難色を示し、構想はお蔵入りとなりました。尚、スロープ入口の両隣に建つビルなどは、再開発対象外となっています。これらのビルもまとめて再開発になれば、名鉄線の線形改良にも大きな弾みとなるところなのですが…。

※名鉄再開発ビルへの直結は断念しましたが、名古屋市住宅都市局が3月30日に方針案を示した、リニア開業に向けた名古屋駅周辺の交通基盤整備方針の中で、”高速道路の名古屋駅周辺ビルへの直結は、中長期的な課題として検討していくこととしている”そうです。(2017年3月31日 建通新聞より)

 

 

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 スロープの処遇が増線の鍵?

スロープはバスセンターの開業当初からのもので老朽化が著しく、解体が望ましいと思います。名鉄ビルへの名古屋高速の直結構想が立ち消えとなったことや、先日ゲートタワー内にて供用を開始した市バスのバスターミナルと同様、名鉄バスセンターを1階レベルに移転させることで解体の余地が生まれます。問題は名鉄バスセンターの上にある立体駐車場をどこに持ってくるか…

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名鉄名古屋駅地下トンネル入口付近より

スロープは約280mの長さがあります。手前の橋の下に名鉄の線路があります。

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 名鉄名古屋駅地下トンネル入口付近

スロープの向こうはこのように断崖絶壁となっています。線路が擦れ擦れのところを通っています。

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 名鉄名古屋駅地下トンネル入口付近(写真奥は金山方面)

こちらも上り線側にスロープが突き出ており、かなりアクロバティックな構造となっています。名鉄名古屋駅の再開発ではホームや線路の増設が検討されていますが、ポイントは、このスロープを解体した上で、線路を増設するのではないかという点です。特に金山方面からトンネルに入るとすぐにホームがあるため、岐阜方面からの入線時と違ってかなり手前から線路を分岐させなければいけません。そこで、このスロープを解体して生まれたスペースを、線路の分岐用地に転用するのではないかと考えています。金山方面からの線路がトンネル手前で左へカーブしているのは、このスロープや線路脇に建つ建物群を避けるためです。

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 金山側より名鉄名古屋駅方面

現状左にカーブしている線路も、沿線の建物群が再開発に加われば綺麗な直線線形にもなるのですが、なかなかそううまくはいきません。

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 太閤通りをまたぐスロープ

スロープはバスセンターの手前で3層に分かれ、下2つがバスセンター用、一番上が立体駐車場用となっています。さながら高速道路の高架のようです。

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 太閤通りをまたぐスロープ

これを撤去するかしないかでは、全体の工期にも大きく影響してくると思いますが、まだ再開発の細かい部分は見えていません。

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 名鉄バスセンター外観

3階と4階がバスセンター、5階と6階が立体駐車場(名鉄スカイパーキング)となっています。まずはバスセンターと立体駐車場を新ビルのどこに持ってくるか、これが再開発の全体像を決めるキーポイントの1つとなりそうです。

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完成当時、東洋一のバスターミナルと呼ばれただけあって、堂々とした面構えです。仮にスロープだけ残して既存のビルだけ解体した場合でも、この構造からしてかなりの難工事です。

 地下もアクロバティック

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 3面2線の名鉄名古屋駅地下ホーム

現在の名鉄名古屋駅は3面2線となっており、線路が上下1本ずつしかありません。ラッシュ時を中心に、1時間に30本以上の列車が発着します。(写真は日曜朝6時ごろの様子)

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中央ホームは降車専用

中央の島式ホームは、基本的に全ての列車の降車専用ホームであるため、特急(特別車)を除いてこのホームからの乗車はできません。

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 廃止が決定している名鉄北改札(中地下階)

今のところ駅の改造計画で判明している事項は、名鉄百貨店や近鉄パッセの地下フロアを駅の拡張用地に充てること、ターミナルスクエアの整備に伴い名鉄北改札口を廃止すること、中部空港への専用ホームの新設はまだ検討段階ということぐらいでしょうか。当初検討されていた名鉄・近鉄の改札共用化については、断念したとの記事をいつかの紙面で見た記憶があります(詳細ソース失念)。とにかく検討する事項が多すぎて、あと5年で着工、5年で完成はかなりハードです。地下は地上以上に複雑のため、全てを見て回るのも大変ですが、今後もある程度駅の詳細が見えた段階で、記事にしたいと思います。

【参考】名鉄 名古屋駅地区再開発 全体計画(2017年3月29日 名鉄公式サイト)

【参考】名鉄グループ中期経営計画 PLAN123(2015年3月23日 名鉄公式サイト)

【参考】実績の紹介 京都駅ビル(大林組公式サイト)

※すべて2017年4月2日撮影。

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コメント

  1. 顔ナシ より:

    名鉄のプレスリリースによると、リニア開通に間に合わせるのは駅施設の整備とのことなので、ホーム増設と改札やホーム連絡用の通路の工事さえ間に合えばいいのでしょう。
    地上のバスターミナルや各施設の完成はその後でも構わないと考えているのかも知れません。

  2. k-carrot より:

    顔ナシさん

    コメントありがとうございます。確かに市や他の鉄道会社と共同で計画するターミナルスクエアなど、他の駅関連施設の整備の兼ね合いもあるので、地下駅の再整備を最優先に行うような感じですね。