来場者の低迷により、今年3月に閉館した名古屋・栄「ランの館」のリニューアル計画がまとまりました。
本日付の中日新聞によると、これまで「ラン」を中心としていた展示方法を改め、「バラ」など展示植物の種類を増やすほか、名古屋三越などが園内に雑貨店やレストランを出店、オープンカフェのほか園内のベンチでもテイクアウトを可能にするなど、サービス面も向上させます。また、テナント収入を得ることで市が負担する管理料を4分の1に減額するほか、従来は有料(高校生以上700円)だった入館料が無料になります。「人々の憩いの場、交流・にぎわいの場」をコンセプトに、新しく生まれ変わる「ランの館」の様子を見てきました。
ランの館は、1998年に県内のランの生産量日本一をPRするために建設された小規模なテーマパークです。建物の外観などは某国の宮殿を模した意匠とするなど、一連の設定があるようですが、細かいストーリーはここでは割愛します。笑
全盛期には年間30万人の来場者がありましたが、末期は半分にまで落ち込んでいたようです。正直言って1.6haの広さや展示内容を考えると、700円はちょっと高いですね。
さて、今回店舗を出す「<名古屋三越」は三越本体から分社化された「三越伊勢丹ホールディングス」の子会社ですが、三越全体で見てもこの東海地方では一気に出店攻勢をかけてきています。2015年には、現在建設中の「大名古屋ビルヂング」低層部にセレクトショップを全国で初めて出店するほか、岐阜県の「<イオンモール各務原」にはイオンでは初となる小型店の「エムアイプラザ」を今秋出店(名古屋三越が運営予定)、さらには「三井家発祥の地」である三重県松阪市が、松阪駅前に誘致を目指す出店構想に対しても前向きな姿勢を示すなど、新業態店舗の計画を続々と打ち出しています。(松阪市の出店形態は不明)
固く閉ざされた正門の扉。5月30日~6月1日にプレイベント、7月には大庭園がプレオープンする予定で、再び扉が開く日はそう遠くありません。
正門横に掲示してあるリニューアルの案内看板。イメージ図を見ると、建物の配置などはそのままのようですが、入場料が無料になるということで入口が1か所から6か所に増えます。
アトリウムの正面玄関。98年オープンなので古さはあまり感じません。
一角では、フラワーショップが現役で営業を続けていました。レストランやビアガーデンは既に閉鎖されています。
アトリウムの裏側には、管理事務所(右手前)と温室が3つ並んでいます。
資材置き場や管理用駐車場があると思しき場所では、何やら工事が始まっています。ここに一般用の駐車場を整備するのでしょうか?
敷地南側に隣接する公園より。こうしてみると建物本体は結構デカいです。
敷地の東側。こちらはフェンスが整然と並んでいます。
東側にも1か所門がありました。こちらも再オープン後は解放されるものと思います。
北側の若宮大通側。緑がいっぱいで非常に気持ちが良いです。
若宮大通側にも使われていない出入口があります。管理用にしては豪華な造りなので、何かのイベントの時にでも解放されていたのでしょうか?
ぐるりと一周してきました。このランの館は、ちょうど久屋大通と若宮大通のいわゆる「100メートル道路」同士が交差する地点にあり、久屋大通公園の一部に位置付けられていますが、住所は「中区大須」になります。栄と大須を行き来する人の動線の中継地点にもなり得る立地なので、是非とも賑わい復活を期待したいですね!「ランの館」に代わる新しい愛称も検討中とのことで、再オープンが楽しみです。
【施設の概要】
名称:久屋大通公園ランの館
場所:名古屋市中区大須四丁目4番1号
敷地面積: 約1.6ha
建物面積:2,375平方メートル
エントランスホール 150㎡/小展示室 150㎡/アトリウム(大展示室) 646㎡/花飾りモデル展示棟 355㎡
売店(ガーデンショップ) 23.94㎡/レストラン 207㎡
庭園 :14,400平方メートル
中庭(内 ガーデンカフェ 13㎡)2,500㎡/大庭園 6,000㎡/小庭園 200㎡/小温室 3棟
※写真はすべて2014年5月18日撮影