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名城大学といえば、名大時代に青色発光ダイオードを最初に発明した理工学部の赤﨑勇教授(現在は同大学院理工学研究科の終身教授)と、共に開発に励んできた天野浩氏(名大教授)が2014年にノーベル物理学賞を受賞したことで全国的に名を馳せ、大学の都心回帰開学90周年を記念したキャンパスの増設やリニューアルなど、在名大学の中でも特に勢いのある大学となっています。今回は、同大学の中枢である「天白キャンパス」の正門アプローチが大きくリニューアルされたので、見てきました。

 

 リニューアル前は?

出典 google ストリートビューより(2016年6月撮影)

かつての正門アプローチは歩道こそインターロッキング舗装となっていましたが、歩道と車道はチェーンポールで分離され、正門入口付近には名城大学内郵便局が立地するなど、全体的に窮屈な印象した。その奥には旧校友会館がありましたが、こちらはアプローチのリニューアルより一足先に隣接地へ移転し、新しい郵便局や赤崎・天野ノーベル賞記念展示室なども入る厚生施設として2016年6月より供用を開始しています。

 

 

出典 正門アプローチ整備デザインコンペ最優秀賞(名城大学News & Topicsより)

アプローチの整備にあたっては、事前に学内コンペが行われ、理工学部建築学科の研究チームの最優秀整備案を元にリニューアル工事が行われました。高さや性格の異なる3つの丘をベースとし、地形を大きく改変せず、現在の環境を極力残すことでその土地への思い入れを大切にし、学生、教職員、卒業生、地域の人々が利用しやすいデザインを意識しています。

 

 

 名城正門前に出現した美しい並木道に注目!

 アプローチ全景

大きくリニューアルされた正門アプローチ。コンペ案と見比べると、青色LEDを使用した「MEIJO UNIVERSITY」のブルー・ゲートはありませんが、案には無かったアプローチ両端のケヤキ並木が加わり、キャンパス正門に向かって奥行きも感じられる素晴らしい景観に仕上がっています。

 

 

アプローチは車道部分も含め、全面インターロッキング舗装となっています。従来は車道部分は通常のアスファルト舗装で、歩道のみインターロッキング舗装でした。歩車道で一体感のある舗装を施すことでリニューアル前よりも空間的な広がりを持たせ、無機質で機能的だったアプローチに柔らかな印象を与えているだけでなく、アプローチの意匠から伝わる様々な質感は車で通るだけではわからない、歩くことの楽しさ・ワクワク感を提供しています。

 

 

アプローチの東側には住宅が立ち並んでいますが、リニューアルに伴い、目隠し用の植栽が撤去され、代わりに煉瓦づくりの塀が設置されました。また、広場の整備に伴い旧校友会館付近にあった一部の樹木が撤去された分、ケヤキを新たに植樹したことで、緑も補完されています。

 

 

歩車道を分離していたチェーンポールは撤去され、新たに照明付きのボラード(車止め)が設置されました。チェーンをなくし、高さを最小限にまで抑えることで、車道がメインの空間とならないよう配慮がなされています。

 

 

注目したいのはこの側溝と植栽の意匠。特に側溝の意匠は、県外の観光地でもあまり見かけないほど質感にずいぶんと味があります。

 

 

 観光資源はまだまだ眠ってる…?

使われているのはこちら。千種区の鍋屋上野浄水場にて、明治時代から使われていたという煉瓦。元々どこかで保存されていたものなのかはわかりませんが、経済学部の学生・教授らによるフィールドワークがきっかけとなり、同浄水場を管理する市上下水道局から産業遺産としての煉瓦の活用の提案を受け、キャンパスのリニューアルに採用されたそうです。

 

 

出典 鍋屋上野浄水場 旧第一ポンプ所(名古屋城下水道局サイトより)

【以下サイトより一部引用】

旧第一ポンプ所は、大正3年(1914)9月に完成し、浄水場で作られた水道水を東山配水場へ送るためのポンプ所として、平成4年(1992)までの78年間稼働してきました。

(中略)
昭和60年(1985)に「近代水道百選」に選定され、平成24年(2012)に「名古屋市指定有形文化財」に指定されました。さらに平成26年(2014)には、水道給水開始100周年記念事業として、大正3年創設当時のように復原するとともに、耐震補強工事も行いましたので、ぜひご見学ください。

この第一ポンプ所に使われている煉瓦はイギリス製で、ヨーロッパ古典期の様式にバロック様式を組み合わせて造られているそうです。となると、今回市より提供を受けた煉瓦も同じイギリス製の可能性がありますね。

 

 

フィールドワークを行った教授によれば、この煉瓦も100年以上前に造られた歴史的価値のある煉瓦のようです。フィールドワークの成果として、こうした美しいキャンパスの実現に寄与できることは、学生さんにとっても非常にやりがいのある有意義な活動になったのではと思います。実は名古屋には、まだまだ観光資源になり得る素材がたくさん眠っているのかもしれませんが、それを生かさないままでは勿体無いと思います。

 

 

 卒業生広場/研究・活動広場(旧交友会館跡) 2階

校友会館の移転に伴い、跡地に広場が整備されました。案内板によれば、2階部分が「研究・活動広場」と「卒業生広場」になっているようです。コンペ案のベースである”3つの丘”のうち、最上段にあるのがこの広場ですが、雰囲気からするとこれが「研究・活動広場」かな?

 

 

 卒業生広場/研究・活動広場(旧交友会館跡) 2階

こちらは中段にある広場です。まだ芝生が養生段階のためか、一部立ち入りが制限されています。中にベンチのようなものが設置されているので、いずれは解放されると思います。おそらくこちらが「卒業生広場」のような気がします。

 

 

 水飲み場?

煉瓦を積み上げて造られています。てっぺんにシャワーの先っぽのようなものが付いていましたが、正体は掴めず。

 

 

 地域交流広場/ウッドデッキ広場 1階

研究・活動広場より1階部分の「地域交流広場」「ウッドデッキ広場」を見下ろしたところ。こちらが最下段の丘となっています。

 

 

 地域交流広場

こちらも芝生養生中のようです。

 

 

 旧郵便局跡地と新校友会館(奥)

2016年5月20日に竣工した、新しい校友会館です。手前の郵便局跡地は駐車場となりました。

 

 

 校友会館・郵便局駐車場

駐車場にもユニバーサルデザインを取り入れた正門アプローチと共通の意匠が採用され、無機質な印象は感じません。

 

 

 

 ウッドデッキ広場

右に見えるのが「地域交流広場」と思われますが、高さ的には中二階の位置にあります。

 

 回の名城大学正門アプローチ付近には、今の名古屋に不足している”歩いて楽しいまちづくり”のヒントが沢山ちりばめられています。また近年の大学の都心回帰に伴い、学生が学校周辺で行われる夏祭りや商店街の空き店舗対策といった、地域振興の「運営」に参加する機会が増え、街の活性化に繋がるとして住民からも評価を受けているようです。昭和期と比べ、地域住民同士でつくるコミュニティが縮小する中、学生などのパワーを取り入れた新しい形態のコミュニティが街を大きく変えようとしています。10年後のリニア開業に向け、名古屋のまちづくりはまだ始まったばかりです。名古屋の街には何が足りないのか。行政にはリニア開業後の名古屋を担う10~20代の人たちからどんどん意見を聞いて欲しい。そのためには、もっと手軽に意見交換できる場を増やす必要があると思います。

 

出典 正門アプローチ整備デザインコンペで理工学部の谷田准教授チームが最優秀賞(2016年3月1日 名城大学News & Topics)

外部リンク 名城大学天白キャンパス 校友会館(名城大学公式サイト)

外部リンク キャンパスづくりに明治時代の煉瓦を使用(2017年4月24日 名城大学News & Topics)

外部リンク 鍋屋上野浄水場および旧第一ポンプ所(名古屋上下水道局 見学できる施設のご案内)

 

※すべて2017年5月21日撮影。

 

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