東京駅周辺では、JR東日本とグループ24社が中心となり、丸の内口、八重洲口、日本橋口など東京駅構内やその周辺も含めたエリア全体を”一つの街”としてとらえ、その魅力を最大限に引き出す「東京ステーションシティ」の整備が進められています。かつての東京駅前はビジネス街としての色合いが強く、新宿や渋谷など他のターミナル駅前に比べ商業エリアとしての発展が遅れていました。しかし、駅周辺における丸ビル・新丸ビル・JPタワー・グラントウキョウ・丸の内駅舎復原工事など、相次ぐ大型再開発が起爆剤となり大勢の観光客が東京駅周辺を訪れるようになりました。これに合わせて、JRも東京駅構内全体の商業スペースを続々と拡張しており、2017年5月現在も丸の内口を中心にリニューアル工事が続いています。この記事では前回(1)・前回(2)に引き続き、丸の内口地下の様子をまとめました。
東京駅の自由通路はどこ?
東京駅構内には、八重洲口と丸の内口を結ぶ自由通路が構内の中央部になく、1階の「北自由通路」と地下1階の「北地下自由通路」の2箇所のみとなっています。私は初め、JR名古屋駅と同じ感覚で自由通路をしばらく探してしまいましたが、外から入ると場所によっては大きく迂回が必要なので注意してください。
「グランスタ」と「グランスタ丸の内」
グランスタ公式サイトより
上の案内図を時計回りに90度回転させた地図と考えてご覧下さい。水色に塗られた箇所が改札外にあるエキナカ「グランスタ丸の内」の全体エリアです。この地図を眺めていると「東京駅地下にも環状地下通路が?」…と思いましたが、京葉地下改札付近の通り抜けができないですね。
もう少し細かい地図(2017年2月現在)
駅設置のリーフレットより
黄色く塗られたエリアは、改札内にあるエキナカ「グランスタ」。そして、赤枠で囲ったエリアが改札外にあるエキナカ「グランスタ丸の内」で今回新たに拡張した箇所です。地図上で既に「グランスタ丸の内」のロゴ記載のあるエリアは、先行して第一弾に開業済みの箇所です。今後は2017年6月にオレンジ枠のエリア(第三弾)が、2017年8月に水色枠のエリア(第四弾)がそれぞれ開業予定です。最終的に「グランスタ丸の内」の店舗数は32となり、改札内の「グランスタ」も含めると店舗数は120、店舗面積は約5,600平方メートルになります。
北地下自由通路~丸の内地下中央口(改札外エリア)
北地下自由通路方面(左奥)
天井パネルは一部で張り替え途中ですが、床タイルの張り替えはすべて完了しました。この辺りは天井が低くなっていますが、白色の天井パネルで圧迫感が軽減されています。
グランスタ丸の内(以下今回オープン箇所)
八重洲口から北地下自由通路を抜けてすぐ左手のスペースが、今回新たに第二弾として拡張オープンした箇所です。
今回開業したエリア内では、NewDaysグランスタ丸の内北口店などの他にもコスメショップや雑貨、カフェなどさまざまな業態の店舗が出店しています。東京駅の地下コンコースが丸々地下街に生まれ変わったような感じです。
丸の内地下北口付近(改札外)
丸の内地下北口付近から北自由通路方面
こちらも残りわずかですが、天井の張り替え工事が続いています。GWということもあり、家族連れの買い物客を多くみかけます。
ekissora(エキソラ・中央)
全てがMade in Japanのオリジナルレザーアイテム「kissora(キソラ)」を主軸に販売。イタリアブランドとのコラボや、オーダーメイドサービス有。東京ソラマチに本店を置き、駅ナカ業態としてはこの「グランスタ丸の内」への出店が初となります。営業時間は平日・土・祝日が22時まで、日曜は21時まで営業しています。
日乃本帆布 東京駅グランスタ丸の内店(ヒノモトハンプ・左)
山形県米沢市に本店・工房を構え、古くは船の帆に使用されてきた丈夫な「帆布」という特殊な布を用いたバッグや雑貨小物などを販売。「丸の内駅舎」をモチーフにしたトートバッグなど、東京駅限定アイテムも必見です。営業時間は平日・土・祝日が22時まで、日曜・連休最終日の祝日は21時まで営業しています。
【外部リンク】東京駅「グランスタ」「グランスタ丸の内」に新エリア。21店舗が4月27日オープン(2017年4月10日 T-SITE Lifestyle)
丸ノ内線連絡通路(丸の内地下北口~丸ノ内線改札)
丸の内地下改札から丸ノ内線改札へ繋がる連絡通路も、合わせてリニューアル工事が進んでいます。
丸の内地下中央口~有楽町出口(改札外)
丸の内地下中央口から北自由通路方面
2017年6月に開業予定の「グランスタ丸の内」第三弾拡張予定エリアです。まだ通路の半分はリニューアル工事の途中です。
丸の内地下南口より地下中央・北口・北自由通路方面
右側が今回開業した「グランスタ丸の内」の第二弾拡張エリア。通路左側は2017年8月に開業予定の第四弾拡張予定エリア。
有楽町方面出口
東京国際フォーラムや、京葉丸の内地下改札への連絡通路付近もほぼリニューアルが完了しています。京葉線の動く歩道のある連絡通路は、改札内の「京葉ストリート」を経由するルートのため、この連絡口とは別ルートです。
コインロッカーの数に圧倒されます。「グランスタ丸の内」の拡張工事に伴い移転してきたロッカーも含め、この場所に集約されているようです。
左がKITTE地下入口、右が有楽町方面への連絡通路です。かなり広大なスペースが広がっており、災害時などの帰宅困難者の避難場所にもなりそうです。
グランスタ(丸の内地下中央口改札内)
丸の内地下中央口(改札内より)
丸の内地下北口や南口と比べても、この中央口の利用客が圧倒的に多くなっています。
総武地下ホームへ繋がる年季の入ったエスカレーターと、真新しいコンコースの意匠のギャップが何ともいえません。
丸の内地下中央口付近(改札内)
こちらも一部の工事を残すのみとなっています。リニューアル後のデザインは改札内外で共通のようですが、構内の商業エリアがあまりに広すぎて、どちらが改札内外か分からなくなりそうです…笑 グランスタ中心部から丸ノ内線改札にかけての動線になっており、たいへん人通りが多いです。
中央地下通路入口
反対側の八重洲地下中央口と丸の内地下中央口を結ぶ、東京駅地下構内のメインストリートとなっています。…と、気になるものを発見。
こんなところに道標が!!
付近に掲示の地図にも「丸の内坂」の文字があります。
丸の内坂(中央地下通路・八重洲地下中央口方面)
調べてみると、2012年の丸の内駅舎復原完了と、グランスタがこの付近まで拡張オープンした際に名付けられたようです。右に見えるグランスタの一角は、通路の坂にちなんで「丸の内坂エリア」の呼称があります。ターミナル駅のド真ん中でもこんなちょっとした遊び心があると、散策が楽しくなります。
グランスタ 中心エリア
東京駅地下構内の賑わいの中心点です。奥には待合広場の「銀の鈴」があり、土産物を買い求める旅行客が詰めかけ、凄まじい人です。この辺りは2007年に「グランスタ」の中で一番最初にオープンしたエリアです。地下街のように見えますが、改札内コンコースです。
柱に飾られていたこの紋章のような模様はなんでしょうか?こちらも調べてみましたが、正体を掴めませんでした。
丸の内地下中央口(改札内)~総武地下ホーム
グランスタ丸の内(丸の内地下中央口付近)
再び丸の内地下中央口へ戻ってきました。今日はホームへ下りてみます。
ここから先は、昔にタイムスリップしたような感覚になります。
総武地下ホームへのコンコース(地下4階)
1つフロアを下りるだけで、こんなに雰囲気が変わるのも面白いです。先ほどまでのグランスタ丸の内のあるエリアも、かつてはこのフロアと似た雰囲気でした。
地下4階
コインロッカーや機械室、コンビニがある程度ですが、成田エクスプレスなどが発着するホームだけあって、ターミナルらしくかなり広いコンコースです。先ほどまでの眩く雑踏に包まれた雰囲気とは一転、ひっそりとした空気が漂っています。
総武地下ホーム(地下5階・25m)
同ホームは1972年(昭和47年)開業。行き交う列車や案内放送、表示板類を除いては、ほぼ当時のまま変わっていないと思われます。
地下ホーム開業当時の面影を色濃く残しています。この階はいつまでもこのままの雰囲気を残して欲しいと思います。
※すべて2017年5月4日撮影。