多治見駅南口では、多治見市を含めた地元地権者で構成する「多治見駅南地区再開発準備組合」が、再開発計画の事業協力者を来月末にも公募します。2015年度内に都市計画決定後、16年度に基本設計を含んだ事業計画の策定と本組合の設立、18年度には既存建物の解体に着手し、2020年度の完成を目指しています。
JR中央線・太多線が乗り入れる多治見駅。2009年より一部が橋上化され、2010年に新駅舎へ完全移行しています。東濃地区の玄関口となっており、長野方面の特急「ワイドビューしなの」を含む全列車が停車します。名古屋方面からの快速・普通列車も一部が当駅での折り返しとなります。
駅舎の橋上化と共に整備された南北自由通路。
自由通路南端から見た再開発予定地。区画北西寄り(線路側)には市営駐車場や駐輪場、交番が立地しています。
区画南東寄りには、商業施設「駅前プラザ・テラ」などが立地しています。計画では、一帯(約2.0ha)の既存建物を解体後、跡地に24階建てマンション(150戸)や商業・福祉施設(延べ約1万700平方メートル)、立体駐車場、交通広場(約300平方メートル)を整備します。また、自由通路からペデストリアンデッキを駅前通りの歩道上に沿って南へ延伸し、デッキの2階部分にはイベント広場(約600平方メートル)を整備します。
多治見市ホームページより。現段階でA案とB案が挙がっていますが、上のイメージ図はA案のものです。B案は高層マンションを線路側ではなく敷地南側に配置し、線路から遠ざけます。立体駐車場はA案が延べ1万6800平方メートルで駐車台数が600台・駐輪台数が400台に対し、B案が延べ2万1000平方メートルで駐車台数は780台・駐輪台数が350台となっています。マンションの規模はA・B案とも「ほぼ同規模程度」(24階・150戸)としています。
今回の基本計画は市民へのアンケート結果から中心市街地に求められる機能などを検討していますが、注目は「名古屋へ行かなくても楽しく過ごせる」です。中央線のセントラルライナーが廃止されてしまったため、多治見駅から名駅までは最速でもJR快速で34分650円かかり、JR岐阜駅からアクセスするよりも運賃・時間がかかります。名古屋への一極集中で周辺都市の駅前が廃れてしまうよりは、各都市が少しでも発展していければそちらの方が良いと思います。
多治見駅北口広場。駅舎の橋上化と自由通路設置と共に再整備されました。現状でも十分な広さを確保しています。
駅舎全景。
バスのりばから見た再開発予定地。(中央後方)
「駅前プラザ・テラ」は、食品スーパー「パワーズ」を核店舗とする商業施設です。多治見といえば近年急速に店舗拡大を進めるスーパー「バロー」のお膝元ですが、「パワーズ」は小牧市に本社を置く「株式会社三河屋」が運営するスーパーマーケットです。
正面から見るとあまり古さを感じさせません。撮影時はまだ開店準備中でした。
「テラ」の南側。最近耐震化工事が行われたような形跡があります。
すぐ向かいには再開発準備組合の事務所がありました。
裏はかなりごちゃごちゃしています。そして「テラ」の外観が正面とは全く印象が異なります。
多治見ステーションビル。某T進衛星予備校が入っていたようですが、現在は廃墟となっています。
そしてテラ駐車場が広がります。裏から見ると結構年季の入った建物ですが、車を止めた買い物客から見て印象が暗くならないよう、外壁がカラフルに彩られています。ここには立体駐車場が整備されます。(A案の場合)
地下1階の「パワーズ食品館」へ直接つながる地下通路が時代を感じさせます。
市営駐輪場。
線路方面を望む。
線路側から南方向。
建物が複雑に入り組んでおり、袋小路となっています。現在の市営駐車場・駐輪場の敷地には商業施設が整備されます。(A案の場合)
交番の裏側へ出ました。
南口へ戻ってきました。
左のビルは2013年3月に建て替えが完了した「新東鉄ビル」。バス待合室や東濃鉄道の本社が入っています。東濃鉄道はかつて2つの鉄道路線を有していましたが、1978年に全廃され現在は路線・高速バス事業に特化しています。小牧市にも営業所があります。右奥は、旧ユニー多治見駅前店の建物を改装して再オープンしたヤマナカの高級スーパー「フランテ」を核とする「クリスタルプラザ多治見」。
こちらは自由通路北端から見た北口。遺跡のような空間が広がっていますが、整備後は広場になります。
丘の上は住宅の分譲地でしょうか?かなり広範囲にわたって区割りされています。
市役所の分庁舎ができていました。
線路方面。
北口もマンションや老人ホームが建ち始めています。
※写真はすべて2015年3月22日撮影。