JR名古屋駅のリニア開業に向けた駅機能強化策の1つに、東西自由通路の増設計画があります。2017年4月のゲートタワー開業以降、JR名古屋駅の4~6月までの利用者数は前年比105%(JR東海発表)と増加傾向にあり、10年後のリニア名古屋駅の開業でさらに利用者数の増加が予想されます。しかし名古屋駅の現状は、桜通口と太閤通口を繋ぐ唯一の「中央コンコース」に通行が集中しており、既にキャパオーバー気味となっています。このため、新たに東西軸の自由通路を新設することで混雑を緩和する狙いです。
地図からみる通路の位置関係
出典 交通基盤関連プロジェクト 「名古屋駅周辺交通基盤整備方針」の 「基本的な考え方」(案)より
現在、JR名古屋駅構内には既存の「中央コンコース」のほかに東西自由通路がありません。駅の南側に「椿笹島町線」がありますが、一般道の歩道である上、大きく迂回が必要で混雑緩和の受け皿としては機能的に不十分です。このため、JR広小路口とJR太閤通南口・あおなみ線改札口を結ぶ、東西約100mの自由通路を新設します。通路は大きな荷物を抱えた旅行客でも利用しやすいよう、平面で使いやすいルートとしています。また、民間と連携し、商業テナントを誘致する話も出ているようです。尚、駅北側にはリニア名古屋駅のコンコースが設置される予定ですが、それに付随する形で今回の東西通路計画とは別に自由通路が整備されると思われます。
日曜日の混雑の様子
金時計広場と中央コンコース(奥)
JRセントラルタワーズやJRゲートタワーの来館者の増加により、通行量が非常に多い。
中央コンコース側からみた金時計広場と桜通口(奥)
中央コンコース(太閤通口方面)
通路の中間地点には在来線の中央改札やJR全線きっぷうりば、そして太閤通口側には新幹線の改札があり、JR名古屋駅構内のメインストリートとなっている。
新設される東西通路の実際の場所
広小路口
桜通口や太閤通口と比べると、ややひっそりとした印象の広小路口。
広小路改札
新しい東西通路の東側入口となる場所。通路は奥のきっぷうりばを貫く形で整備されます。この奥は大部分がJRの線路を支える盛土部分となっており、通路設置にはJR東海との協議が必要のようです。
広小路口は名鉄名古屋駅から最も近いJRの玄関であり、ここから直接太閤通口・あおなみ線改札へ直接抜けられるようになると、利便性が劇的に向上します。
広小路口と金時計広場・中央コンコースを結ぶ通路も混雑が目立つ。
あおなみ線改札
この改札を入った奥が、新設される東西通路の西側の入口となります。
奥の壁を貫く形で東西通路が設置されます。手前のあおなみ線改札は、通路の両端いずれかへ移設されると思われます。
※すべて2017年8月6日撮影。