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2017年10月9日、大正・昭和の面影を随所に残す「東急池上線」の魅力をより広く知ってもらおうと、運営する東急電鉄は池上線の開業90周年を記念し、1日限定の無料乗り放題イベントを実施しました。池上線は最近カメラ本やデザイン本などでも、その風景が時々取り上げられていたので以前から乗ってみたいと思っていたのと、タダで乗り降り自由という新感覚に惹かれ(笑)、池上線とその沿線の魅力をじっくり味わってきました。

 

外部リンク 東急池上線90周年 特設サイト(東急電鉄)

 

 

 

この日は駅に来た人なら誰でももらえる「一日フリー乗車券」を配布していました。メインが鉄道ファン向けのイベントではなく、沿線の活性化を目的に、線内であれば誰がどこで何回乗り降りしても無料というのは、大手私鉄としては非常に珍しい取り組みです。

 

 

 

平時は最大6分間隔で運転しており、ローカル線にしてはかなり高頻度ですが、この日はさらに本数を増やして運行しているようでした。しかし、既に混雑でダイヤが大幅に乱れており、発車時刻の案内は行われず。

 

 

 

 PM1:00 五反田駅

 山手線ホーム

五反田駅では、JR山手線ホームの大崎方で池上線と連絡通路で接続しています。

 

 

 

 山手線・池上線 乗り換え改札

五反田駅から蒲田方面に向けて出発。普段はここまで人は多くないのでしょうが、昼間から朝ラッシュ並みの混雑。しかし混雑を見に来たわけではないので、ここは早々に通り抜け。

 

 

 

 池上線ホーム

ホームには、2007~2008年にかけて導入された、線内最新鋭の東急7000系(2代目)が停車中。

 

 

 

池上線五反田駅のホームでは改修工事が進行中。近年東急電鉄が積極的に採用しているテント式上屋に生まれ変わる予定となっており、木造上屋はまもなく見納めとなりそう。

 

 

 

ここから蒲田駅へ向け出発し、途中いくつかの駅で降りてみようと思います。

 

 

 

 PM2:00 戸越銀座駅(品川区平塚)

五反田駅から2駅先の戸越銀座駅で途中下車。当駅は、多摩地域で生産された「多摩産材」と呼ばれる木材を使用し、2016年12月にホーム上屋や駅舎内装のリニューアルが行われました。国が林業の活性化を目的とした国産材の利用を奨める中、木材の不燃化技術の進歩により木質化による駅の魅力向上が可能となりました。

 

 

 

 シザーストラス構造を採用した上屋

シザーストラス構造は、特殊な形にカットした木材を格子状に組み合わせ、空間をアーチ形に覆うことで無柱空間を造りだす構造で、主に狭小住宅などで採用される場合がある。

 

 

 

以前の記事にも掲載していますが、名古屋の長者町界隈でも道路上に木造ベンチやオープンテラスを設置するなど、木質化による街づくりが推進されており、各地でこのような動きが出てきているのがわかります。

 

 

 

設置台数の少ない改札機も解放され、フリー乗車券を持っていれば、改札機に通さなくともそのまま素通りOKの状態でした。五反田駅では改札機に通していたので、あまりに混雑が激しくなってきたので途中から駅員が作動を止めたんでしょうか。

 

 

 

当駅は旗の台駅からの駅集中管理システムが導入されており、普段は無人駅のようですが、この日は職員総出で安全確保。ボランティアかアルバイトと思われる若い方々がフリー乗車券を配布していらっしゃいました。

 

 

 

当駅にはシンボルマークも採用されていますが、この切り文字の独特のフォントも気になるところ。暖簾も掛けられ、さすがは東急のセンスといった印象。

 

 

 

 戸越銀座商店街

先日ブログをご覧いただいている方から、駅前人口のデータベースのサイトを教えていただきました。それによると、この戸越銀座駅から500m圏内の駅前人口は、23区内にある駅の中で約5位の多さだそうです。4位はすぐ隣にある都営浅草線の「戸越」駅。イベントといえど、どうりで人が多いわけです 笑 あまりに人が多すぎて、これ以上の散策は断念しました。

 

 

 

 PM3:00 洗足池駅(大田区東雪谷)

戸越銀座駅からさらに4駅先の洗足池駅で下車。濃いローカルムードに包まれる。

 

 

 

洗足池駅と似た駅名の駅に、東急目黒線の「洗足」駅があります。「洗足」駅はここから直線距離で約1kmほど離れており、50年前に地下化された地下鉄のような駅ですが、一日の利用者数はローカル色の強いこの洗足池駅のほうが多いのが面白いです。

 

 

 

池上線のホームでは、このように開業当時を思わせる水飲み場をよく見かけます。先日、JR浜松駅のホームでも見かけましたが、名古屋近辺ではあまり無いような…?

 

 

 

洗足池駅では、木造上屋が現役バリバリ。屋根や柱は綺麗に塗りなおされています。

 

 

 

 

 

 

 

駅の柱や壁、梁からさまざまな質感を見て触れて楽しむ。

 

 

 

駅名の由来にもなっている「洗足池公園」は、中原街道を挟んで駅のすぐ向かいに広がる。沢山の人で賑わっていますが、これもフリー乗車券の効果か。

 

 

 

公園の喧騒からは離れ、線路沿いを進んでいきます。

 

 

 

土手の上にある洗足池駅ホーム。この日降りた駅の中では一番好きなホームかも。

 

 

 

駅から線路沿いを西へ歩いて行くと、閑静な住宅街の中にひたすら目立つ大きな建物(左)が見えてきます。

 

 

 

ここにはもともと警視庁の家族のための寮「東雪谷住宅」があった場所。解体工事の真っ最中。

 

 

 

 

 

 

 

 洗足池1号踏切(大田区東雪が谷)

通過する列車の背後には、東京電力洗足池変電所が立地。

 

 

 

池上線の架線と、東電の送電線が同化しており、住宅密集地ならではの合理的な設置方法です。

 

 

 

 東雪谷住宅跡地

先ほどの警視庁社宅の跡地には、リニア中央新幹線の非常口が建設される予定になっており、解体もこの準備工事として行われているのでした。

 

 

 

外から眺める分にはただの解体工事ですが、その正体はJR東海が警視庁の土地を買占め、大深度地下にぶち貫くトンネルまでの避難口を掘るという、とてつもない大規模な工事です。

 

 

 

クリックして拡大してもらうと分かりますが、まだ建てられてからさほど年月の経っていない、寮というよりはマンションというべき真新しい建物でした。

 

 

 

「東雪谷住宅」は2001年3月に竣工しており、わずか16年半でお役御免となりました。過去に問題となった構造計算書偽装事件のマンションでもなければ、なかなかここまで大きくて新しい建物の解体はお目にかかることが少ないのではと思います。

 

 

 

このあたりは池上線の線路が谷のようになっており、沿道の丘の上に住宅が密集。

 

 

 

さっき見た、洗足池駅のホームは土手の上にありましたが、わずか150m歩くだけで全く地形が変わりました。このように起伏の激しい地形の中に池上線が走っています。

 

 

 

池上線内での最古参、7700系が大勢の客を乗せ五反田へ爆走中。

 

 

 

再び駅へ戻ってきました。駅舎のトタン屋根はホーム上屋と共通で、大変味のあるものです。

 

 

 

駅横のわずかなアンダーパスをくぐると、商店街が広がる。

 

 

 

 洗足池ファミリーロード

ここも線路に向かって土地が下り坂になっている。

 

 

 

元々は24時間営業だったと思われるスーパーマーケット。

 

 

 

世田谷区に本社を置き、東京・神奈川・千葉県下に計22店舗を展開するチェーン店のようです。

 

 

 

しかし、すぐ近くには強敵イオンが小型店の「まいばすけっと」へと生態を変えて侵略中。同店は首都圏の市街地を中心に200店舗以上という圧倒的店舗網を築き上げています。それでも同じ商店街の中で複数のスーパーが共存できているのは、沿線人口のパイの大きさゆえでしょうか。

 

 

 

 洗足池ファミリーロード

再び洗足池駅へ向けて戻ることに。

 

 

 

 PM5:30 御嶽山駅(大田区北嶺町)

洗足池駅から3駅先。洗足池周辺で結構時間を費やしてしまった。

 

 

 

帰宅時間とも重なったためか、大勢の買い物客でにぎわう。

 

 

 

御嶽山駅前にもイオンが鎮座していますが、やはりここでも地場のスーパーは負けていません。名前は「オゼキ」でなく「オオゼキ」。世田谷区に本社を置くチェーンスーパー。

 

 

 

「いい匂いのする時間になってきましたね」。日が暮れてもフリー乗車券を配り続けるスタッフに気さくに語りかける東急の駅員。おそらく右に写るカツ屋さんからだと思いますが、焼き栗(?)のような香ばしい香りに心もほっこり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 御嶽山1号踏切(大田区東嶺町)

 

 

 

 御嶽山1号踏切(大田区東嶺町)

御嶽山駅を発車した五反田行き列車。

 

 

 

御嶽山駅は、ホームの一部と東海道新幹線・品鶴線の線路が交差しており、3両編成で短区間をのんびり行き来する池上線に対し、新幹線や横須賀線・湘南新宿ラインの長距離・超大編成が何時間もかけてせわしなく行き交うホーム下はまさに異次元空間。

 

 

 

池上線は東海道新幹線をオーバーパスするだけでなく、将来的に地下を走るリニアとも交差し、沿線に非常口も設けられるという、大手私鉄のローカル路線としては唯一無二の存在になりそうです。

 

 

 

御嶽山駅舎と、フリー乗車券を配布するボランティア?の方々。

 

 

 

駅西側にも、商店街が広がります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 御嶽神社

遠くて木曽の「御嶽山」へ行けない人々のために、江戸時代に御嶽山の分霊を祀る社殿が建立され、これが駅名にもなっている。

 

 

 

 PM6:30 池上駅(大田区池上)

当駅では東急線内で唯一残る構内踏切が現役ですが、駅舎建替えにより2020年9月までに廃止されることになっています。

 

 

 

池上線は元々「池上本門寺」への参拝路線として開業した経緯があり、大量輸送を見込んだ輸送力を持ち合わせていない。だがそれがいい。

 

 

 

お約束の水飲み場。ひょっとして大正時代の池上電気鉄道当時のもの?

 

 

 

 

 

 

 

煉瓦積みのホームが古めかしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

当駅は改札口の橋上化に伴い、ホームを完全に覆う形で駅ビルが建設されるため、木造上屋の解体も確実となっています。

 

 

 

 

 

 

 

建替え予定の池上駅駅舎。売店も備えた有人駅です。池上線の中間駅の中では最も多い、1日3万5,000人の利用客があります。

 

 

 

 

 

 

 

建替え後の駅舎は、5階建てのビルとなりますが、延床面積が1万平方メートル近くもあり、現在の駅舎と比べるととんでもなくデカい駅舎となります。

 

 

 

駅前には、広場のど真ん中に交番があり、路線バスも多数発着、チェーン店も複数軒を連ねるなど、池上線最大の中間駅らしい充実ぶり。

 

 

 

池上本門寺への参道「本門寺通り」は、駅前の五差路(池上駅交差点)から斜めに伸びていますが、かつて駅まで一直線に繋がっていた名残なのか、奥の五差路・手前の十字路の角が大きく隅切りされています。

 

 

 

 池上駅交差点

五差路。奥が池上駅。南東角が隅切りされています。

 

 

 

池上本門通りから見た池上駅方面。昔は五差路などなく、駅までまっすぐ参道が続いていたのかもしれません。

 

 

 

 PM7:50 蒲田駅

東急蒲田駅には、「池上線」と「東急多摩川線」が乗り入れる。

 

 

 

上線の今回の乗車はこれで終了。ここから京浜東北線に乗り換え、新幹線で帰るため東京駅へ。撮影しているときは気づきませんでしたが、お疲れにもかかわらず、最後に東急の職員さんがポーズを取ってくれていました。大変清々しい旅の締めくくりとなりました。ありがとうございました。次回は他の駅でも降りてみたいと思います。

 

外部リンク 東急池上線90周年 特設サイト(東急電鉄)

外部リンク 門前町・池上の玄関口である池上駅の駅舎改良および駅ビル開発計画が始動(2017年4月18日 東急電鉄公式サイト)

 

※すべて2017年10月9日撮影。

 

コメント一覧
  1. Wilson より:

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