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渋谷駅一帯では、副都心線の開業や東京駅前・港区周辺の再開発などで低下しつつある渋谷の求心力を取り戻すべく、2027年にかけて同駅前に本拠地を置く東急電鉄を筆頭に、東京メトロやJR東日本なども加わり、怒涛の再開発が進められています。周辺には多数の大型複合ビルが建設中で、旧来の渋谷スクランブル交差点周辺に止まらず、同駅の南側一帯でも歩行者通行量の増加が予想されます。これに対応するため、国道246号を管理する国交省関東地方整備局は、246号に架かる渋谷駅西口、東口交差点それぞれのデッキを架け替える工事を行っています。本記事では、東口デッキの架け替えを取り上げています

 

 

歩道橋の現状と将来図

出典 渋谷東口歩道橋の架け替え工事に伴う通行止め(国交省関東地方整備局 記者発表資料)

  架け替え中の西口デッキ(左)と東口デッキ(右)

架け替え対象の交差点は、JRのガードを挟んで東西に各1箇所あります。

 

 

 

歩道橋も下を通る道路も交通量が多いため、架け替え作業は夜間に行われています。完成まで計30回にわたって道路を封鎖し、複数個に分けられた橋の部位を段階的に架けていきます

 

 

 

出典 渋谷東口歩道橋の架け替え工事に伴う通行止め(国交省関東地方整備局 記者発表資料)

 渋谷駅東口歩道橋 架け替え前

架け替え前の歩道橋はかなり歪な形状になっており、東口交差点の南東角から北西角にかけて斜めにも横断できるようになっていますが、大半の箇所の通路幅が狭く、渋谷の玄関口に程近い1日9万人が通行するインフラ設備としてはかなり貧弱になっています。

 

 

 

出典 渋谷東口歩道橋の架け替え工事に伴う通行止め(国交省関東地方整備局 記者発表資料)

 渋谷駅東口歩道橋 架け替え後 イメージパース

新しいデッキは通路を大幅に拡幅し、円滑な歩行者の通行を確保します。形状はこれまでよりもシンプルな「ロの字」型に近い形となり、全体的にコンパクト化される印象です。

 

 

現地の様子(2017年9月10日)

現在の渋谷駅東口のイメージを明るくさせる、白く眩しい新デッキ。大阪の「阿倍野歩道橋」もそうですが、歩道橋というよりはペデストリアンデッキという呼称がふさわしい、頑丈な造り。

 

 

 

自転車専用レーンの信号で横向きは珍しいかも。

 

 

 

新旧歩道橋のコラボ。

 

 

 

 

 

 

 

 渋谷駅東口交差点 西側 旧歩道橋

交差点西側にかかる古い歩道橋は、JRガード寄りにカーブしていますが、既に架橋済みの新しいデッキは交差点寄りに架けられ、ほぼ直線に。

 

 

 

JRのガードとの間では、交差点の歩道橋架け替えとは別に、駅街区と駅南街区に建設中の再開発ビルをつなぐ横断デッキを整備中。このデッキ、前は…

 

 

 

旧東横線高架(2017年5月5日)

 旧東横線ホーム跡の一部(2017年5月5日撮影)

地下化される前の東急東横線のホームでした。246号に架かる部分の鉄骨だけ残し、歩行者デッキに再利用する計画です。架け替え後の歩道橋からはこんな近距離で見ることもできなくなりそう。

 

 

 

旧東横線ホーム跡と、撤去予定の歩道橋のコラボ。東横線渋谷駅の地下化は完成した今、利便性も含め賛否両論ありますが、個人的には都市部の電車も地上を走っていたほうが、「鉄道の街」の雰囲気が色濃く出て、また人や電車の盛んな行き交いが街の賑わいにも反映されて、見ていて面白いと思います。

 

 

 

ずっと気になっていますが、この首都高の桁に付いてる排気口みたいな突起物って、高架時代の旧東横線ホームの”かまぼこ屋根”にかなり似ていると思うんですが、意図的にデザインを合わせたんでしょうか。

 

 

 

 旧東横線ホーム上に「かまぼこ屋根」が復活!

出典 東横線旧渋谷駅の「かまぼこ屋根」が復活!(渋谷文化プロジェクト)

 国道246号横断デッキ イメージパース(旧東横線ホーム)

旧東横線ホームを再利用して整備される国道246号の横断デッキに、かつての旧ホームの「かまぼこ屋根」を思わせるデザインが採用されることになっており、歩道橋の架け替えが完了した際には、首都高のかまぼこ型構造物と、このかまぼこ屋根を絡ませた撮影もまた面白そうです。

 

 

 

出典 東横線旧渋谷駅の「かまぼこ屋根」が復活!(渋谷文化プロジェクト)

架け替え後の新デッキ(手前)と、旧東横線ホームを再利用した246号横断デッキの「かまぼこ屋根」。こういった再開発の中にもしっかり伝統を受け継ぐところが素晴らしいです。

 

 

再び現地の様子(2017年9月10日)

狭いところは、すれ違いにもなかなか気を遣うレベル。

 

 

 

東口交差点西側246号西行き車線上)に、新しいデッキの桁が架かりました。

 

 

 

出典 渋谷東口歩道橋の架け替え工事に伴う通行止め(国交省関東地方整備局 記者発表資料)

上の図で見ると、赤色の部分です。

 

 

 

 

 

 

日没後

 駅街区に建設中の「渋谷スクランブルスクエア(東棟)」

東横線旧ホームを活用した246号横断デッキで繋がる再開発ビル。

 

 

 

渋谷東口交差点の旧歩道橋は、斜め横断も可能な特殊形状。

 

 

 

旧歩道橋も、幅の広い箇所はかなりのスペースがあります。

 

 

 

エレベーターも付いてはいるものの、狭い橋が複雑に入り組んでおり、バリアフリーとは言いづらい現状。

 

 

 

夕暮れの歩道橋も、なかなか絵になります。

 

 

 

まだ246号に架橋される前の頃。

 

 

 

おまけ

 渋谷ストリーム(35階建て・180m・2018年秋開業予定)

渋谷ヒカリエの連絡デッキ(明治通り上)より。旧東横線線路跡地や渋谷川などを活用した「渋谷駅南街区再開発」の中核施設です。

 

 

※写真は2017年5月5日、9月10日撮影。

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