2018年3月17日のダイヤ改正より、JR名古屋駅2番線の使用が中止されました。地下30メートルに建設されるリニア名古屋駅の本工事に先駆け、2番線の地下19メートル付近にあるJRセントラルタワーズ建設時の土止め板を撤去するためで、撤去工事には1年程度かかる見通しです。さらに、1番線の地下にあるタワーズへの物品搬入路も撤去する必要があり、2番線の使用再開後、続けて1番線の使用が停止される予定です。
各列車ののりばが変更に
2番線の表記が消えたホームへの階段
利用客が混乱しないよう、使用停止となった2番線への案内は、削除されています。これまで2番線に発着していた豊橋・浜松方面の快速系統は1番線に切り替えとし、さらに1番線に発着していた豊橋・浜松方面の普通列車は3番線に切り替えとなっています。この期間は、快速⇔普通の同一ホームでの乗り換えができなくなります。
使用停止中の名古屋駅2番線ホーム
これまで主に豊橋・浜松方面への快速系統の列車が発着し、混雑していた2番線は、頭上の乗車位置表示も消灯。ひっそりと静まり返っています。
2番線に代わって、向かい側1番線には、豊橋行き新快速列車が停車中。1番線・2番線ホームは、JRセントラルタワーズ建設の際に改築され、ホーム上にビルを建設した関係で、JR名古屋駅で最も幅の広いホームとなりました。
ホーム安全確認用のモニターも「調整中」。
2番線ホーム(右) 岐阜方
線路が完全にぶった切られています。以前は奥に止まっているトラックの付近までホームがありましたが、リニア関連工事が始まる前に撤去されました。寝台列車等の廃止により10両を超える長大編成の列車が発着しなくなったのも理由の一つと言えます。
各ホーム岐阜方は、軒並みホームの長さが削られています。ちょうどこの地下に、リニア名古屋駅の2面4線の地下ホームが建設されるものと思われます。
3番線に停車する豊橋行き普通列車
2番線の役割を、元々武豊線用だった3番線が兼任することで、3番線の使用頻度が増加しました。左奥、1番線に停車中の豊橋行き新快速列車との緩急接続が行われていますが、乗り換えには階段の上り下りが必要になります。本来3・4番線の同一ホームで緩急接続を行い、1番線を武豊線が使用すれば丸く収まるところですが、配線的に1~2番線は豊橋・武豊方面からの折り返しができないため、やむを得ずこのような方策が取られているようです。
2番線 豊橋方
こちらは線路はぶった切られていませんが、「この先短絡禁止」の車止めが置かれています。
ホーム乗り換え通路の案内板も、豊橋方面のりばを1番線もしくは3番線に誘導する内容に一新。
河合塾名古屋校・名駅校を2020年度中に統合へ!
地上開削が行われるリニア名古屋駅建設予定地
2018年5月22日付の建通新聞によると、河合塾は名古屋駅太閤通口にある「名古屋校」と「名駅校」を統合し、2020年度中に新校舎を建設します。今後、地上から掘り進める形で実施されるリニア名古屋駅の建設工事に伴い、既存建物の移転が必要となるエリア一帯では「名古屋駅周辺まちづくり構想」に基づく街区再編が行われます。対象エリアの地権者には、名古屋市が用地買収の協力を要請しており、今回その要請に河合塾が応える形での移転となるようです。
2012年12月に完成した「河合塾名古屋校」
最新の環境設備を整えるため、旧「16号館名古屋校」から、より駅に近い場所に移転する形で開校した(新)名古屋校は、2012年に完成。このまま計画が進めば、わずか8~9年で校舎は役目を終えることとなります。ここまで短命のビルは今まで記憶にありません。
移転先の旧「ザ・グランドティアラ名古屋駅前」(左)と、統合相手の「名駅校」(右)
移転先となるのは、先にJR東海が愛知冠婚葬祭互助会から取得した結婚式場「ザ・グランドティアラ名古屋駅前」(1982年竣工)の跡地です。建通新聞によれば、河合塾がこの跡地の一部をJRから取得したと報じています。そのすぐ隣には「河合塾名駅校」(1984年竣工)があり、両建物を解体した上で、新しい統合校舎を建設するものと思われますが、敷地のどの範囲に建設されるのかは、2018年6月8日時点で不明です。なお、グランドティアラの解体期間は2019年4月末までとなっています。
MEMO
進む駅西地区の解体・用地買収
解体中だった木造家屋(上記「関連記事」参照)が綺麗サッパリなくなり、ここもJRの管理下に。
隣接する「椿魚市場」(右)も、2018年5月31日をもって閉店。建屋は今後解体されると思われます。
まだまだ膨大な数の建物を解体する必要がありますが、リニア開業に向け一棟一棟地道に、しかし着実に用地取得が進んでいます。
※すべて2018年6月3日撮影。