東京メトロは、2017年に開業90周年を迎える銀座線の全ての駅における大規模リニューアル工事や、「環状第二号線新橋・虎ノ門周辺地区」で進められている再開発プロジェクトと連携した日比谷線への新駅設置、ビジネス客に対応した各駅へのワークスペースの設置など、東京メトロ全線の利便性向上を目指した中期経営計画「東京メトロプラン2018」が策定されています。これに並行し、2016年に開業60周年を迎える大手町駅では、2012年より利便性の向上を目的とした全面リニューアル工事が実施されています。
RE:NOVATION OTEMACHI STATION
大手町駅は、東京メトロの4路線(丸ノ内線・東西線・千代田線・半蔵門線)と都営三田線が乗り入れていますが、今回のリニューアル工事は、丸ノ内線・東西線・千代田線の3路線のコンコース・ホームで実施されています。それぞれの路線ごとに改装コンセプトがあり、中でも特徴的なのが丸ノ内線のリニューアル工事です。
大手町駅 丸ノ内線ホーム(改修工事中)
対岸のホームを覗いてみます。地下鉄駅のホームとは思えない、ノスタルジックな雰囲気に仕上げられたその意匠は、まるで夜更けに港町の赤レンガ倉庫にいるような感覚になります。
大手町駅 丸ノ内線ホーム(改修工事中)
丸ノ内線のホームは、相対式2面2線となっています。2009年よりワンマン運転が行われており、ホーム可動柵が設置されています。今回のリニューアルでは、床・壁・天井・柱・案内サインなど、ほぼ設備の全面にわたって工事が行われています。
壁のタイルは煉瓦が採用され、優しく照らす暖色系のダウンライトが、オフィス街の駅らしからぬ落ち着いた雰囲気を演出しています。新しい天井板は白を基調とし、従来のアルミ製天井板から感じる冷たい印象は払拭されています。
大手町駅 丸ノ内線ホーム(改装工事中)
柱や床タイルの張り替えも概ね完了しています。柱は床や天井とは対照的にダークな仕上がりとなっており、全体的に単調なデザインで終わらないよう工夫が施されています。
駅名標など案内サインはLED式に交換され、認識性に優れています。
丸ノ内線のホームは、同駅では最も早くリニューアルが始まっており、完成も一番早くなりそうです。
東西線ホームへ
拡幅された東西線 西改札前 コンコース
商業ゾーン「OOTEMORI(オーテモリ)」などが入る大手町タワーに接続する、西改札前のコンコースがリニューアルとともに拡幅され、新駅同然の仕上がりとなりました。
大手町駅 東西線 西改札内
改札内は、まだまだリニューアル工事が続いています。東西線のりばのリニューアルは2018年まで続く予定です。
大手町駅 東西線ホーム(改装工事中)
1面2線の島式ホーム。階段付近はまだリニューアルが始まったばかりで、床タイルや柱は従来のデザインのままとなっています。
ホームに掲示されたリニューアル案内。
大手町駅 東西線ホーム(改装工事中)
ホーム中央部付近はほぼリニューアルが完了しています。こちらも丸ノ内線ホーム同様、床・壁・天井・柱のデザインが刷新されています。丸ノ内線と比べると、シンプルな仕上がりになっています。
千代田線ホームへ
東西線⇔千代田線乗り換えコンコース
こちらも新駅かと思うほど、気合の入ったリニューアルが行われています。オフィス街らしく、シンプルでシャープな印象を与えています。
東西線⇔千代田線乗り換えコンコース
区間によって工事の進捗状況はさまざまですが、工事前のかつての面影を全く残させないリニューアルとなっています。
大手町駅 千代田線 改札内
このあたりはまだリニューアル前の面影が残っています。
千代田線ホームへ下りる階段。工事のため照明の数が少なくなっており、普段よりも薄暗い雰囲気になっています。利用客の安全確保のため、危険個所には常時係員が配置されています。
大手町駅 千代田線ホーム(改装工事中)
千代田線は東西線ホーム同様、1面2線の島式ホームであるほか、ホーム可動柵が設置されていないため、仕上がりも東西線ホームに似た感じになりそうです。
大手町駅 千代田線ホーム(改装工事中)
ホーム端のタイルと点字ブロックのみ、新しいものに交換されていますが、大部分はまだ従来デザインのままとなっています。
【外部リンク】大手町駅改修工事のご案内(東京メトロによる特設サイト)
※すべて2016年10月9日撮影。